見出し画像

e”スポーツ”という呪い

 少し前に「eスポーツはスポーツかどうか」という議論を目にした。他にも「スポーツは筋力の発達があるがeスポーツにはない」みたいなよくわからない意見を耳にしたこともある。自分は思うんですがこういった議論ははっきりと言って時間の無駄なのでやめてほしい。
 

 eスポーツという呼び方がどこの発祥なのかだれが言い出したのか知らないがおそらくゲームを競技として認知されるための分かりやすい呼び方として名付けたのかもしれない。しかし、”スポーツ”という名称を付けたのは少なくとも日本という国においては失敗だったと思う。一度母親とこういう会話をしたことがある。母親がテレビでeスポーツという名前を目にし、それがなんなのか自分に聞いてきた。自分は「ゲームを競技としてプロ野球とかみたいにやったりするんだよね。賞金とかも出るよ。」みたいな説明をした。そうすると「ゲームでしょ?」といった返答が返ってきた。うちの母親は自分が幼少の頃はゲームは1日1時間とか外で遊びなさいとか言ってくる普通の親であった。自分がRAGEのファイナリストになった際にそのことを賞金の大きさも併せて説明したが「ゲームの大会に出てくるのね。」といった程度の反応だった。自分たちの親世代の人たちはこういった反応を示す人ばかりなんだと思う。彼らにとって「ゲーム=遊び」という考えが普通なのだ。

 このことと同時に親たちの世代にはスポーツ及び運動することがいいことであり推奨するべきものだという考えも同時に存在すると思う。自分は小さいころにスポーツを特にしていなかった。そんなときに親から姉がやっていた水泳と男だから格闘技とかさせようという父親の意見で空手を始めた。結果から言うと水泳は比較的楽しく大会とかに出るというほど早くはなかったが学校の授業では少し威張れるほどではあった。今でも習ってよかったと思う。ただ空手はそうではなかった惰性で9年ほどやったが自分は運動神経が悪いこともありまったくと言っていいほど選手として弱かった。空手をやっていた時間は丸ごと無駄だったとさえ思っている。結局なにが言いたいかというと自分は自分の意志でスポーツを始めなかった。

 こういった上の世代たちの固定観念が最初に記述した無駄な議論につながっていると思う。「eスポーツ」と呼ばれるものは一般的に言われるスポーツ(運動)ではないし一般的に言われるゲーム(遊び)でもない。そもそもスポーツをやっている人のすべてが競技としてやっているわけじゃないのは周知の事実でスポーツは遊びとしての部分と競技としての部分をがあることをみんなが知っている。しかしゲームは現状遊びとしての部分しかないという認識が大半になっていると思う。この理由は単純に上の世代はゲームが日常になかったからだと思う。

 今多くのゲーム、企業がeスポーツの立ち位置を確立しようと頑張っている。そんな時に「eスポーツはスポーツか?」なんて議論は無駄である。ゲームはスポーツではないしこの二つは一緒にするものではない。「競技ゲーム」とかの呼び方でよかったのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?