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心の中の記憶14 パリにきて

子どもとのヨーロッパ旅行、パリにいる。

楽しむでもなく、居るという感じ。
ブローニュ=ビヤンクールの民泊に泊まって最終日、アパートに居る。

NHKのびじゅチューンのおかげで、モナリザ、コロッセオやニーゼン山、色々な美術について子どもたちが関心を持った。小学校低学年の頃だったから、しっかりすりこまれて、今回の旅行で助けられた。
最終日、ルーブル美術館に行く予定を組んでいたけれど、弟は疲労でダウン、姉はライブの当落発表日で忙しい。

入館予約時間ギリギリに、Uberで夫と姉がルーブル美術館に出かけて行った。年末のライブのことで頭がいっぱいなので、モナリザを観たらUberでとんぼ返りの予定。

フランスに入国しお盆休みの夫と合流、無事に約束のカップラーメンを食べ終わった途端、子ども達の帰宅したい気持ちが最高潮。
急遽、ディズニーランドリゾートパリに予定を変更。結果、旅行中で一番、楽しんでいた。さらに東京ディズニーランドのほうがもっと楽しいと言っている。
子育ては常に学ぶことばかり、この先の人生、誰かと一緒に何度でも好きな場所に行ってきてくださいと思う。

フランスとアメリカは、若い頃から私のなかで別格で、トランジット程度でしか近づけなかった。
今回、娘の希望でパリに来て、パリを好きになった。実際に体験しないとわからないことがあると自分に言い聞かせてきたけれど、50歳を手前にして、もう一度そう思った。

そして忘れそうになるのだけれど、自分が体験することは大事。でも相手は変えられない、自分が変わるだけ。子どもたちを自分の所有物のように扱うことがないように、注意深く意識をむけること。

実際に私が体験したことだから相手も(子どもたちも)同じように感じるはず。子育てに関して、無意識の思い込みと決めつけで10年くらい過ごしていた。

今回の旅行中も、反抗期だろう娘さんが母親に口うるさく捲し立てられ、直訳すると「とても重い」と一言、感情のない顔で応えているのをみた。
世界中どこにでも、同じような小さな悩みを抱えた母親がいる。

毎回、帰省した実家から新幹線で家に向かう時、悲しい気持ちになる。旅行の帰りも、いつも悲しい気持ちになる。我が家が一番という心境にはいつ到達できるのだろう。
小さい頃から朝に弱く、早く歳をとって早起きできる人間になりたいと思い続けてきたけれど、朝はいつまでたっても眠い。

私は、いつもどこか違うところに移動することを望んでいて、もとの場所には戻りたくない。母親ではあるけれど、自分で持って生まれた気質を認めても良いでしょう。自分の選択も認めても良いでしょう。
若い頃のように、このまま旅を続けたいとまったく思わないことにも驚くけれど、家に帰りたいわけではない。ずっと思い込んできた母親像からかけ離れているけれど、それが私のようだ。
勢いだけで生きる段階をすぎた今。少しづつ、自分をみつめなおすのに、ちょうどいい。

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