Slack Notification Storm

こんにちは、515hikaru です。

今週は忙しすぎてあっという間の 1 週間でした。毎日バタバタしていて、気がつけば梅雨入りで外は嵐、屋内では Slack 通知の嵐という日々でした。

仕切り直して来週を迎えようと思っているのですが、にしても疲れ果てています。果たして土日の 2 日だけで休息が足りるのかといった感じです。事前にある程度忙しくなることは覚悟していたけど、ここまでとは。

そんな疲れた身体に鞭打って今週もニュースレターをお届けします。今週からちょっと構成を変えてみてます。その辺もお楽しみください。

Facebook・Twitter に関するニュース

たまたま(日本時間の)金曜日に見かけたニュースで Facebook も Twitter も新機能のテストや構想を発表していたようなので紹介。

まずは Facebook から。アメリカでの話ですが「友だちが過激派に染まっている」ことを心配しているかをユーザーに尋ねるプロンプトのテストをするそうです。

あまり日本では聞きませんが、 Facebook はアメリカでは暴動を起こそうとしている人たちの発信を制限したり止めようとしなかったりするなどして批判されたりしています。そうした批判を受けての動きの一環なのでしょう。

友だちだったり親族だったりが過激派のコンテンツに晒されているんじゃないかとか、変なものを見ているんじゃないかと思うことはあっても、なかなかそれを指摘することや、介入するのは難しいです。プラットフォーマーであれば何かができるというわけではないのかもしれませんが、こうした動き自体は個人的には歓迎です。

個人的にはタイムリーな話題ですし......(遠い目)。

続いて Twitter の新機能、といっても発表でもテストでもなく「構想中」くらいのもののようで、記事中には積極的に開発しているわけではないとあるので今の形で実装されるわけではなさそうです。ただ、何かしらの形でブロックとかの機能を使わずに自分のツイートを特定の人だけに見せることができる機能ができるかもしれませんね。

どちらのニュースを見ても SNS はやっぱり苦労しているなと思います。

SNS というものを運用するのは長い時間が経ってすごく難しくなっていて、SNS を取り巻く様々な問題や批判があります。SNS は誰でも発信できるし誰でも投稿コンテンツを閲覧できるわけですが、誰でも投稿できるというのは裏を返せばプロパガンダにも使われてしまう危険性を常に持っています。日本でも一時期 YouTube で暴力を肯定している人たちが動画を投稿していたのが話題になっていたりしました。

また一般の(そして世界中の)ユーザーが対象ということもあり、良かれと思った新機能が思わぬ悪用を引き起こすこともあります。

過激派の標的になっている人を探し出す対策と、投稿を自分が指定した人にしか見せない機能、この 2 つは全く似ていませんし実装理由も目的も何もかも違います。ですが、なんとなく方向性としては同じ方向を向いているような気がします。どちらもよりよいプラットフォームを目指している、人と人が憎しみ合ったり争いあったりせずに済むような場を作るにはどうするかを模索しているんじゃないかなぁなんて思ったりします。

そんな未来が本当に来るのかはおいておいて、それぞれのプラットフォームがより良くなることに異議はないので、このような動きを継続して行って欲しいなと思います。

ソフトウェアの著作権やライセンス

ソフトウェアと著作権の歴史はそんなに簡単なものでもないのですが、AI コード生成が絡むことでさらにややこしいことになるなぁという記事です。

AI がソフトウェアを作った場合、コードを書いた場合、著作権は誰のものになるのか。それは全く自明ではありません。著作権者が誰なのかが自明ではない以上、ライセンスがどうあるべきかもやはり自明ではありません。OSS ライセンスとして何を採用するかは著作権者が決めることだからです。上記の記事ではそんな現状が解説されています。

少し横道にそれますが、僕は OSS (オープンソースソフトウェア)という営みを人類はあまり経験しておらず、著作権やライセンス違反に関する問題はとてもわかりづらいものだと感じています。それどころか、特にソフトウェア開発に明るくない多くの人にとって「異常な営み」にさえ見えると僕は考えています。なぜかというと OSS ライセンスを付与するというのは(一定程度)権利を放棄する営みだからです。

小説家も漫画家もイラストレーターも作曲家も映画監督も、自分の作品を「盗まれた」ときや「改変して自分のものとして発表」されたときには場合によっては訴訟沙汰になってもおかしくないでしょう。そしてこれは OSS ではないソフトウェアについても同様です。ソフトウェアも創作物であり、著作権による保護の対象だからです。

一般的には、自らの創作物に対して権利を放棄したがる人はあまり居ません。しかし OSS の文化は権利を放棄することを是としていますし、OSS ライセンスによっては誰でもそれを使ってお金稼ぎしてもいいし、なんなら改変して自分のものとして発表しても良いです(Amazon が Elastic 社の OSS を Fork して自社のものとしたことが最近ありました)。これは OSS を知っている人からすれば当たり前ですが、世間的な「クリエイター」の価値観とは真逆の営みです。

要諦は上記に書きましたが、もし興味があれば下記の記事も併せてお読みください。

そんな難しいソフトウェアの著作権・およびライセンス問題ですが、AI コード生成はそれをさらに難しく、あるいはややこしくする要素になるかもしれません。

さて、下記は居酒屋政談で根拠は何もありませんが、個人的には上記の記事にある Tweet の GPL に関する指摘は論理の飛躍があると見ています。

github copilot has, by their own admission, been trained on mountains of gpl code, so i'm unclear on how it's not a form of laundering open source code into commercial works.

本当にそうなのかなと。

GCC(GNU Compiler Collection)は GPL ライセンスの OSS ですが、GPL のコンパイラを使ってコンパイルしたプログラムは GPL とは限りません。MIT ライセンスのソースコードを GPL のコンパイラでコンパイルしても、バイナリの配布は MIT ライセンスの条件で行えます。これはバイナリにすることに必然性はなく、Babel のようにソースコードをソースコードに変換するものでも同じ理屈です。

機械学習のモデルはコンパイラのようなもので、ソースコード(関数の名前や引数など)からソースコードを作るものです。なのでソースコードを生成するものがどのようなライセンスのソースコードを学習したものであっても、生成物のライセンスには関係がないのではないかと感じます。

一方で、AI がサジェストした結果がたまたま GPL ライセンスのコードと全く同一だったらどうするのかという問題は確かにあると思います。ただそれも結局は著作権が誰に帰属するのかにより問題の方向性が異なるので、AI の生成物の著作権はそもそも認められるのか、認められる場合は誰に帰属するのかが決まらない限りは議論を進めることは不可能だと思います。僕の上記の意見も含め、いま何を言っても居酒屋政談の域を出ないかなと思います。

うーん、結局元の記事と同じ結論になってしまった。法律って難しい。

免責事項

上記の意見は法律の専門性のないソフトウェアエンジニアの私見であり、筆者は何の責任もとれません。現実に著作権法や OSS ライセンス違反関連の問題に直面した場合、上記の意見は一切参考にしないで専門家へ意見を求めてください。筆者は専門家ではありません。

今週の活動

今週はブログをいくつか更新しました。慌ただしい日々だったので、ライトな感じです。

あとがき

先日 Apple TV 4K を買いました。

Netflix や Apple TV+ ももちろん見られるのですが、実は一番見ているのは DAZN です。DAZN で仕事終わりにプロ野球の中継を見ながらご飯を食べていたりします。あと音楽を流したりもしてます。

ディスプレイは同じなので映像のきれいさとかは PC と変わらないです。個人的に気に入っているのは、スピーカーに Home Pod mini を使えるのとリモコンで操作ができるところです。長いことテレビを持たない生活をしていたので忘れていましたが、リモコンって便利なんですよね。

PC で何でもできるのは正しいしそうなんですが、特化のマシンもひとつあるとやっぱり便利だなと思うし、要はバランスだなと思うこの頃です。

Original: Slack Notification Strom - Revue

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