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銀杏通り⑥

日曜日にこうして歩いていると、日々気づかなかったいろいろなことに気づく。二車線の向こうがわでタイヤを交換している人に出会った。薄の花が咲いていることにも気づいた。秋の畔と薄の風景はよくマッチしていて僕はカメラを向けたくなった。イヤホンから流れている音楽は初音ミクだ。耳元で機械音が鳴っていると自分がなにかアナログな気体からデジタルな流体に変わったようなきもちになった。

やっとこさ家に帰ると僕は今日あったいろいろな事柄と疲れからすぐさまベッドに飛び込んだ。まるで水泳選手が水の中に飛び込むように。家にはいろいろなものが散らかったままだがそれらを片付ける気力もなく僕はうとうとした。夢のなかでぼくはカエルになっていた。カエルになって水槽のなかで

飼われる夢。夢から覚めると僕は料理をすることにした。冷蔵庫のなかには祖母から送られてきた野菜のほかに知人からもらったカワマスがあった。