あの頃、そして、これから
Five hundred twenty five thousand six hundred minutes.
Five hundred twenty five thousand moments so dear.
Five hundred twenty five thousand six hundred minutes.
How do you measure, measure a year?
---
ミュージカル RENTより
Seasons of Love
一年を何で数えるかと問われたとき、入院日数がそうなのだろうなと思っていた
娘が産まれたその年、病院から出ることは叶わなかった
次の年、退院は叶ったものの、一年の半分以上は病院で過ごした
更に翌年、入院はあったものの、ようやく家で過ごすのが当たり前になってきた
ただし、長期入院がなくなった代わりに短期の入院を何度も繰り返すことになった
入院すると、病院スタッフの人たちが口々に言うのだ
「娘ちゃん、大きくなったね」
「最初はママそっくりだったのに、パパに似てきたね」
「娘ちゃんが歩いた!この前生まれたと思ったら、こんなにお姉さんになって」
もはや病院は第二の実家
看護師の皆さんは、もはや親戚同然
長く付き合いのある人は、もはや人見知りの対象ではない
本来なら成長するにつれて入院も少なくなり
「今年はとうとう一度も入院することなかったね」
なんて夫婦で話せる日が来るのだろうなと思っていたけど、残念ながらまだまだ先になりそうだ
娘の食道狭窄は、実のところかなりの重度だ
産まれたときには完全に閉じていたことを思うと、麦茶を飲める今の状態は随分改善したともいえる
しかしながら、狭くなった部分をバルーンで広げて、一月経過するとまた戻り
‥イタチごっこが一年以上は続いている
バルーン拡張とリハビリだけで解決すればそれが最善だけど、そうはいかなかった
入院回数を数えなくなったのは、いつからだったたろうか
一度手術を受けて多少改善はしたものの、まだまだ先は長い
小児ではあまり実績のない治療を試したり、次回拡張までの期間を短縮したり、何かできることはないかと病院側も手探りだ
このまま食べられないままだと、幼稚園は多分無理
小学校も、受け入れてもらえるかどうか
最終的には、もう手術しかないだろうというところまで来ている
NICU時代に受けた根治術のとき、呼吸状態が悪くて、気管切開を行う話が出たこともある
長い沈静で、体幹もすっかり弱ってしまった
今回も同じことにならないか、むしろ酷くならないか、心配は尽きない
何はともあれ心臓と肺、ということを考えると、来年になってからだとは思う
遠くない未来、娘はまた長い入院を伴う手術を受けることになる
今まで同様に、癒着も酷くて長い手術になるだろう
その日がいつになるかは分からないけれど、今度こそ良い未来が手に入りますように
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?