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知ってほしい、小児がんとワクチン接種

はじめに

我が家の子ども・おもちちゃん(仮名・1歳)は生後5ヶ月で小児がんであることが分かりました。軽い気持ちで受診した病院で突然病名を告げられ、慌てふためいたことを覚えています。
先日、Twitterで名前に🎗をつけた反ワクチンの方のツイートがキッカケで、小児がんやゴールドリボンは思った以上に知られていないことを知りました。そこで「小児がんについて知ってほしい」と呟いたところ、多くの方から反響がありました。


小児がんは子どもを持つ親にとって、いつ自分が当事者となってもおかしくない病気です。また、小児への予防接種は自分の家族だけでなく、基礎疾患を持つ子どもを守ることにつながります。小児がんやワクチン接種についてもっと多くの方に知ってほしいと思い、noteを書くことにしました。

小児がんとは

小児がんについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
小児がんとは15歳未満の子どもがかかるがんの総称です。白血病や脳腫瘍、リンパ腫などが挙げられます。大人のがんは生活習慣病が起因しやすいのに対し、子どものがんは遺伝や、胎児の時に身体の一部になるはずだった細胞が異常な細胞に変わって増加したことが原因と考えられています。

日本では年間2000〜2500人程度が小児がんと診断されています。成人のがんに比べて治療の効果が高く、現在では7〜8割が生存しています。一方、治療が効きにくいがんもあり、残念ながら2〜3割は帰らぬ人となっています。

ゴールドリボンとは

ゴールドリボンとは、小児がんに対する理解や支援をよびかける際のシンボルマークで、日本だけではなく世界中で使われています。Twitterでは小児がんの子どもを持つ親や、子どもの頃に小児がんになった人が名前に🎗マークをつけています。

小児への予防接種

日本では生後2ヶ月からB型肝炎など各種予防接種が推奨されています。そもそも何故ワクチンを打つのか、知っていますか?
産まれた子どもは母親から免疫を引き継いでいますが、病気の中には免疫がすぐ切れるものがあります。免疫が切れて感染症に感染すると重大な症状を引き起こすことがあるため、病気にかかりやすい時期に免疫を作れるようワクチン接種が推奨されています。

小児がん患者の予防接種


私も自分の子どもががん患者になるまでは知りませんでしたが、小児がん患者は予防接種ができないことが多いようです。抗がん剤や骨髄移植などの治療により抵抗力が落ちるため十分に免疫が作られないことや、ウイルスの感染状態を起こす可能性があることが理由だそうです。治療前にワクチンを接種していても輸血や治療により効果が低下・消失してしまうことがあり、その場合は治療終了後に再接種が必要となります。
ただでさえ治療で抵抗力が落ちている小児がん患者が感染症にかかると症状が重くなる傾向があるため、親は常に感染症に気を配っています。

小児がんと闘う子どものために、大人ができること

小児がん患者は1万人に1人の割合なので、なかなか身近に感じづらい病気だと思います。ただ、我が家のようにある日突然病気が見つかり、当事者となる可能性はゼロではありません。
では、自分や周りの子どもを守るために何ができるか。ここまで読んで下さった方はもうお分かりだと思います。
ズバリ、厚生労働省に定められた定期接種+任意接種(おたふく風邪ワクチン等)をスケジュール通り接種することです。
(※定期接種・任意接種はワクチン.netというサイトが分かりやすくまとまっています)
日本では個人の意思が尊重されるため、ワクチンを「打たない選択」も可能です。ワクチンを接種するかどうかはご家庭の事情や個人の信条にもよるので、否定はしません。しかし、自分の子どもや周りの子どもを守るために、なるべくなら接種してほしいというのが小児がんの子を持つ親の気持ちです。ひとりひとりがワクチンを打つことで、守れる命があります。

最後に

長々と読んで下さって有難うございました。
もし共感いただけたら、周りのお友だちそっとお話ししてほしいです。少しでも多くの方に小児がんのことやゴールドリボン、ワクチン接種の必要性を知ってもらい、理解が深まると嬉しいです。
また、今回こちらの記事は現役医師の友人のファクトチェックをお願いし、加筆修正しています。病気が見つかった時は親身になって相談に乗ってくれ、今回も多忙ななか時間を割いて調べてくれて、感謝しかないです。彼女から病気発覚時にセカンドオピニオンについて助言をうけた話は、別の記事で書きたいと思います。

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