テトラポットに乗って

有休をとった。

朝起きて、冬タイヤへの交換と車のメンテナンスを済ませたら昼になったので、どこかで食事をとろうと思った。

いまいる場所の近くに、カフェがあるらしい。地元のカフェ情報を発信しているインスタグラマーの投稿で見た。

記憶を頼りに車を走らせた。しかし、走らせても走らせても、一向にカフェが見えない。どうしよもないが、せっかく有休をとったんだ。「ここだ」と思える店が目につくまで、車を走らることにしよう。

謎のフォントが目についた。
「ここだ」と思った。

「これだ」と直感した海鮮丼を食べた。

僕はひとりで食事をする時、だいたい近くにいる人たちの会話に聞き耳を立てる。隣の席には老夫婦がいた。奥さんが「ショッキングオレンジ」という色について話していた。旦那さんが「ショッピングオレンジ?」と尋ねると、奥さんが「ショッキングオレンジ! キ!キ!」とまくしたてた。そんな色ねぇよ、と心の中でツッコミを入れながら、海鮮丼を口に運んだ。

食後のデザートの杏仁豆腐に手を出そうとしたところで、奥さんがまた見たことも聞いたこともない単語について旦那さんに話していた。その単語のことを、いま思い出そうとしても、思い出せない。未知の響きの単語だった。もしかしたら、自分が知らないだけかもしれない。世界は自分の知らないことで溢れている。

その後、海をみた。快晴。海は「青!」って感じだった。人がいなかったので、この海は自分だけのもの。ワクワクした。波打ち際まで歩いて波に足元をすくわれないようチキンレースをしたり、米津玄師の「KICK BACK」に感化されて、意味もなく走ったりした。ワクワクしすぎた。

テトラポットに乗って、海を眺めた。地元は海の街。小学生の頃にも、テトラポットによく乗った。何度怒られようともやった。ワクワクするんだ。テトラポットに乗っていると。 

気づいたら14時30分になっていた。会社関係でやることが残っているので、帰宅することにした。土日は「やろうやろう」と思いすぎてなかなかうまく向き合えなかったが、今日はちゃんと向き合えた。

ワクワクするのは大事だ。嫌だな、と感じたり、肩の力を入れすぎたりすると、気が重くなって物事を進めるのが億劫になる。沈んだ気持ちの時にやるタスクほど、辛いものはない。

ちょっとでも気が晴れることを日常に取り込んで、できる限り「タスク」を「やりたいこと」に変換していこう(ご褒美効果)。

12月15日に会社の面談がある。それまでに出来る限りやることを進めたい。

さっそく、面談までの土日4日間の予定をフルで決めた。平日の仕事終わりは、1時間15分、やることをやる時間として充てることにした。「アカン」状態になることを防ぐため、しっかりリラックスタイムも設けている。

やることがちゃんと終わったら、新海誠監督の「すずめの戸締まり」を観に行く。楽しみな予定を未来に設定して、目の前の「今」に集中しよう。

サポートは「ワクテカすることの創出」に使わせていただきます!! あっ、ワクテカとは、ワクワクしすぎた状態のことです。