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日本一の立役者・若き新世代エースの今シーズン。 ①奥川恭伸

まず初めましての方は初めまして。いつもお世話になっている人もいると思いますが、noteを書いてみるのは初の試みです。笑   

今回はヤクルトが悲願の日本一を達成したと言うことで記念(?)と言ってはあれですが、普段ツイートしているような事 +αでnoteを書いてみる事にしました。

リーグ優勝、そして日本一を達成するにあたって後半戦、特に成長著しく活躍してくれた選手といえば、奥川恭伸・高橋奎二の左右の投手でしょう。この二人がチームを優勝に導くまでのピッチングができるようになっていったのは明確な変化や進化があったからでしょう。

果たしてそれはどのような所にあるのか、若き次世代の両投手について二回に分けて書こうと思います。(多分) 今回は奥川恭伸についてです。

一応新聞やネットの記事などから引用するところもありますが、個人的な見解が多く、主観的な内容かつ細かいデータや裏付けに基づいた記事とは若干異なるのでそこはご了承いただきたいです。

綺麗に纏まった文章とは言い難いんですが多めに見てやってください。では本題に入ります。


・球種の変化(フォーク編)

まず去年と大きく変わった球種といえばフォーク(スプリット)でしょう。高校時代までは非常に投球割合が少なかったこの落ち球ですが、本人もプロに入ってからは磨きたいと言う発言もしていました。

そしてプロ入り後は鋭く小さく落ちるスプリットに近いような軌道のものが多い印象でした。しかし今年は開幕3戦目から中10日と言う変則ローテーションの中で徐々にフォークボールの使い方を変えていきました。

前半戦は今年からより硬いマウンドに改善がなされた神宮球場の変則的なマウンドに苦しめられ、思っているような投球が出来ていない状況にありました。しかし徐々にマウンドに慣れだすと優位なカウントを作る事ができ、フォークで時折三振を奪えるシーンが増えてきました。しかし、まだしっかり落としきれない場面や甘く入り痛打される場面もありました。

特に大きく変わっていった印象があるのが後半戦に入ってからの試合でした。後半戦に入るとこのフォークが特に良くなりだし、カウントの入りや、ゾーン内でゴロを打たせる投球が選択肢として増えてきました。

このボールは変化量も細かく操り、かつ奥川投手の制球力の良さも相まってかなりピッチングを楽にしていると思います。球数がさらに少なくなった大きな要因にも挙げられます。三塁側に若干シュートしながら落ちていくこのボールはかなり投球の幅を広げたでしょう。例を出すと右打者に対し、ボールゾーンの外角からフロントドア気味に入れてストライクを稼ぐ,ゴロを打たせる、インコースの足下に投げ込み三振を奪うなどが挙げられます。記憶に新しいCSファイナルステージでも巨人ウィーラー選手に対してこのボールでゴロを打たせ、併殺を奪っていました。もちろん左打者に対してもカウント球、マネーピッチのどちらとしても有効に使えています。

奥川は非常に器用な投手であり、変化球も握りを教わればすぐに投げられると言っていました。その恵まれたセンスで直球に近いスピードから変化量も自由自在にフォーク(136~142辺り)を投げ込めます。彼はスライダーが注目されがちですが、フォークボーラーとしてもかなりの投手と言えるでしょう。

・球種の変化(カットボール編)

ここも大きく変わった所でしょう。奥川は入団当時からストレートとスライダーの間に球速差が空き過ぎてしまう事で、その中間になるようなカットボールを取り入れ、投球構成をプロ仕様にしていくと発言していました。

1年目こそ中々着手までとはいきませんでしたが、2年目の今季はオープン戦から握りを若干変えた小さい方のスライダーを試投。前半戦は投球割合がそこまで大きくないながらも、徐々にこの球で三振を奪うようなシーンも増えてきていました。しかし前半戦はまだ球速がスライダーに近く、軌道も真っ直ぐの軌道から曲げると言うよりは膨らみを帯びたスライダーといった感じでした。

大きく変わってきたな、と思ったのは後半戦、東京ドームでの横浜戦でした。この日は最速155キロを記録するなど、奥川のキャリアで最も調子が良いと言っても過言ではない日でした。この試合で佐野恵太から三振をとった縦に鋭く落ちる小さなスライダーはまさにカットボールと言えるものだったでしょう。

この試合からコツを掴んだのか、奥川のカットボールはかなり精度が上がっていきました。甲子園での阪神戦では右バッターで屈指の選球眼を誇るマルテ選手に対し、アウトコースにこのカットボールでカウントを稼ぎ最後はスライダーで見逃し三振を奪ってみせました。その他に大山、糸原、サンズといった前半戦では打たれていたバッターから、このボールでゴロや空振りを奪いました。

そして本格的にカットボールを有効に使え出したのが、記憶に新しいCSファイナルステージでの完封勝利の試合です。この試合での奥川のカットボールはストレートのに近い軌道から変化しており、非常に精度の高いボールになっていました。このカットボールは俗に言うスラッターと言われるボールにも性質的には近いと言えるでしょう。特に左打者に対してのカットボールは抜群であり、左打者の内角で空振りやファールを打たせる、そして左打者の足元に落とすカットボールで三振を奪っていきました。実に9個のうち4個の三振がこの左打者のバックフットに落とすカットボールで奪った三振であり、その精度の高さが伺えます。左打者のには有効であるバックフットのカットボールですが、奥川の内角への細かい制球や他のボールとの相互作用もあるのでしょう。

この日のカットボールは真っ直ぐに近い軌道から変化するだけではなく、フォークとほぼ対になっており左右に有効な球だったと言えるでしょう。日本シリーズでも杉本から三振を奪いました。これからは球の再現性と球速の最適バランスを突き詰めていけるとより良いでしょう。

・球種の変化(ストレート編)

甲子園時代は高校生離れした平均球速のストレートでとてつもないピッチングをしていた奥川ですが、肩の怪我後は思ったようなストレートがいっていない印象でした。前半戦、特に神宮球場ではマウンドに馴染めずシュート回転し垂れてしまうストレートになってしまっていました。

しかし徐々にマウンドに慣れてくると、後半戦では直球のスピードが向上し、ストライクゾーン真ん中近辺に吸い込まれていくようなシュート回転は減っていきました。De戦では155キロ、球速PFがとても低い神宮球場でも150キロ越えを計測しました。

そして後半戦はシュート回転するボールを意図的に左打者の内角ボールゾーンから曲げ、フロントドアで見逃し三振を奪うなど配球の幅としても活用していきました。高めに投じる際にはシュートしながら吹き上がっていく軌道、いわゆるシュートライズと言われるような軌道で左右問わず三振を奪っていた印象でした。前述したように一歩間違えば真ん中に吸い込まれてしまうリスクも孕んだボールですが、後半戦の奥川はその自慢の制球力も相まって有効なボールになっていました。

また後半戦は日本シリーズ談でも言われていた通り(記事のソースはないが)、意図的に強くシュート回転させるボールとそうではないボールを投げ分けているように感じました。日本シリーズでも勝ちこそつきませんでしたが、杉本に対してこの高めの直球で三振を奪うなどして7回1失点の好投でした。

これからは本人も言っているように平均球速の向上、意図しない球質のバラつきを少なくするという所でしょうか。

・ピッチャーとしての変化

変化球やボールについて変わっていったのはもちろんなんですが、やはり神宮球場という特殊なマウンドに適応できたことも大きいでしょう。2年目のオープン戦、春の試合では特に神宮で登板した時に打ち込まれるケースが非常に多かったように感じます。本人もシーズンの記事で神宮のマウンドに適応できず、フォームを一時期は崩してしまったと話していました。

しかし後半戦は神宮の方が調子が良さそうな試合も増え、東京ドーム以外なら神宮の方が投げやすいのでは?という投球内容でした。プロ初完封を成し遂げたのも神宮球場でしたね。

これには慣れもありますが、神宮球場のマウンドという特性上奥川のアングルの微妙な変化などがあるのかもしれませんね。これはまた別の機会にでも話そうと思います。


・終わりに

かなり雑に書き殴ったような内容でしたがどうだったでしょうか。個人的にはこう思うんじゃないか、というところが改めて整理できた感じがしてよかったんじゃないかと思っています。

とにかく日本一、本当におめでとうございます。とても嬉しいのですが1ファンとしてまだ実感があまりないのが正直なところです。笑

ここまで読んでくれた方はありがとうございます、また次の記事で。

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