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◆利き手をスイッチした郷ひろみさんに関するYahoo!記事

 普通の人があまり考えないことに気付いて試す人。

 50歳で利き手を右から左に替えた郷ひろみさん。その動機について語られているので、興味のある方はアクセスしてみてください。

 私は、元々生まれながらの左利き。幼稚園の時に、「文字は右手で書きなさい」と親から矯正されて以来、字を書く時は右手で書くようになり、小4くらいの時に書道、ペン習字の習い事をしたのですが、利き手ではないので綺麗に書けずに発狂したことがあります。

 初めて明かす当時の書道・ペン習字の提出物の真実。提出するものは全て「見本をなぞって書いたもの」。もちろん、なぞっただけだから見た目には綺麗に見えて、親にも褒められたが、内心自分ではズルしたことを知っているため、知らぬフリをして喜んで見せた。

 でも、そのことがきっかけとなり、それから一定期間、自分の名前の漢字ばかりをノートに何百回と書いて自ら練習をすることになり、その時から、右手で書く時の筆圧や字体が安定してきた。より綺麗に書けるようになるために、父や母の文字を真似て書く練習もした。腹が立つくらい両親は字が綺麗なので、その怒りのような感情が文字を書くことへのエネルギーとなったのかもしれない。

 気が付けば、行く先々で字が綺麗だと言われることが当たり前になっていたのだけれども、元々利き手ではなく、どう頑張っても綺麗に書けなかったことを知っているため、見た目で褒められることには何も思うことはなかった。

 見本をなぞって書いたものを提出する、本来はズルいと思われるその行為が、正しい練習方法だったのでは?と後になって気付き、その後に私がやったことは、ボールを利き手とは反対の手で投げる、ということだった。

 元々左利きなのだから、ボールを投げるのはいつも左。でも、祖父からプレゼントで貰ったグローブは右投げ用で左手にはめるため、右で投げられない私は、いちいちグローブを外して左で投げていた。

 だったら右手でも投げられるようになればいい、と思い至り、腕の振り、足の動き、体重移動、腰の捻り、など、左手で投げる時の動作を完全に右投げ時にコピペして、両投げができるようになった。

 自分の身体なのに、利き手ではない方の身体の動きがうまくいかないのは、単純に利き手ではないからだ、とは思えなくて、人は両目、両耳、両手、両足、左右ほぼ対象なのだから、できないはずがない、と確信していた。文字が右手で書けたのならボールだって投げられるはずだ、と。

 実は、イメージした通りに自分の身体を動かすということは簡単なことではなく、その通りに動かすにはいくらかの練習と修正が必要なのだと気付かされた。ただ、それをするにも、ただ練習するだけではできるようにはならないのではないかとも思う。

 利き手ではできるのに反対の手ではできない、そのことに心底疑問に感じたり、不快感にも似たような感情を抱いたりしない限りは、左右同等レベルには上達しないのではないかと実体験から感じている。

 すべての左利きの人たちに共通しているかどうかはわからないけれども、左利きの人たちは右脳で物事を見て考えたり想像したりするため、多くの右利きの人たちには見えていないことに気付いたり、誰も考えつかないことに突然気付いたりすることがある。私にも何度かそういう経験があるけれども、あまり良い見方をされなかった記憶しかない。嫉妬なのか何なのか、受け容れてもらえた体験は数えるくらいしかない。

 どうも左利きというマイノリティーは不便に感じることが多いばかりか、人と関わる上でも右利き集団とはうまく折り合いが付かないことが多かったりして、その分だけ煩わしいと感じる。ただ、その一方では、少数の側である左利きでよかったと思えることも多く、自身の直感に助けられることも。

 左利きの人の言語コミュニケーションは右利きの人たちに比べて劣る場合が多いのかもしれない。意見がかち合うことが非常に多く、そのことが自分にとっての当たり前にもなっていて、感情を切り離す術も会得できたため、一概に悪いことばかりでもなかったなと思える。

 でも、右手を全く使わず利き手の左に頼り切りだったら、もっとコミュニケーションにおいて何かしらの障害が残っていたかもしれない。小さい頃なんか、国語の教科書を読んでも読解する感覚がまるでなかったため、音読させられるのがいつも嫌だったのを覚えている。言語脳は一般的な人たちに比べてきっと今でも劣っているのかもしれないが、ハッキリとした程度は私にはわからない。

 生まれながら自身に備わっているものは、それはそれで活かせばいい。ただし、それに甘んじることなく、苦手なことを得意に変換していくことができれば、見えてくる景色にも変化が生まれるかもしれない。

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