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新しい事をスタートするとき

まず前提としてこの記事は僕のように、、
就職した経験もなく、
自由という言葉を「自分の思うままに生きる」と思いがちで、
その割に突出したビジネススキルがあるわけでもないのに、
こだわりだけは一丁前で、
自分の感性が認められていないのは
世の中がおかしいか自分がおかしいかということに気づき始めながらも、
一歩の踏み出し方がわからない、
けどわからないんじゃなくて時代が俺に追いついていないだけ、
みたいな妙なポジティブシンキングを持ち出し、
自己肯定するだけなのに、
段々とそれにも疲れてきてしまった、
けれど自分自身というものを諦められない者たちに向けた文章である。

やらない選択肢

僕は仕事柄よく動画という側面で新規事業に誘われることが多い。
なので結構いろんなベンチャー企業の人々とやり取りすることも多いし、
ありがたいことにビジネスの立ち上げ方などもそばで見ることができる。
これはどんな参考書やビジネス本より生きた経験となって僕に色々な選択肢を増やしてくれる有用な事実だ。
その中でわかってきたことがある。

優れた責任者は新しい事業を展開するときに
「何かを始めるかにあたって、何をしないのか」
というやらない選択をしっかりと持ち続けている。

特に新しい何かを始めるということは感性もビンビンだし、絶対成功するという熱い気持ちだからこそスタートを切れる。そして色々な事を試していきたくなる。
試した上で取捨選択したいし、できれば全ての施策がヒットするだろうと身内で盛り上がることが多い。

しかしスタート時というのは持っていないことが多い
初期メンバーも、資金も、PR力も、クリエイティブも、
大手にがっつり勝負されたら勝てない可能性が極めて高い状態の中、
そこから一個抜きん出ないといけない非常にサバイバルな世界だ。

そこで重要なことは「やらない」という選択肢をしっかりと持ち続け、
やると決めたことで一点突破すること。
突き抜けた情熱が、次を産み、更なる展開へと続く。

ほんの些細なことで良いので、
どこで突き抜けるのか?をしっかりと定め、
そのために必要なこと以外をいかに「やらない」でいられるかの計算が起業家の腕の見せ所なんじゃないか。

今までの僕のやり方は
会社ではトライアンドエラーを繰り返し、一つのことを極めるのではなく上辺だけの勝負を繰り返してきた。
スケールの大きな夢に恋焦がれ、そのために手広くやることが大切だと思ってきた。
しかしその実は表面的な仕事へしかつながりがなく、
次のステップへ繋がっていない。

僕に必要なことは
2021年でやる事を定め、それ以外をやらない選択をすることなのである

新事業や新商品開発にあたって

ではちょっとビジネスっぽくしてみよう。
やりたいことをするには
いかにやりたくないことをして事前準備をしっかり行動に移せるか?
よく「とりあえず行動しなきゃ始まらない!」
などの美談を耳にするが、ほとんどの場合は面倒な下準備を怠った結果の行動であったり、そもそもの知識がゼロベースなだけで、基本的に失敗してそこから学んでいくスタイルである。
カッコつけて「行動しなきゃ始まらない!」と言っている成功者のほとんどは時間を有効活用しアンテナを張り巡らし机上の理論を突き詰めている。

そんな前提をどうやって進めるのが良いのか?
そしてそのベースがあるから道を進めるという地図のような役割とは?

よくビジネスでいう4Pを考えての4C分析っていうフレームを作った上で制作に入るのがおすすめ。
その上で課題と解決を踏まえて企画考える

4P
「製品(Product)
「価格(Price)」
「流通(Place)」
「販売促進(Promotion)

4C
「顧客にとっての価値(Customer Value)」
「顧客が費やすお金(Cost)」
「顧客にとっての利便性(Convenience)」
「顧客とのコミュニケーション(Communication)」

そこから見えてくる課題
ペルソナ
モデルケースや競合
市場規模

ここをできるだけ細かく設定しスケジュールをセッティングしていく。
こうした地図を持った上で行動に移すことが、他の人間やクライアントなどを納得させていく材料になる。
「自分は〇〇だと思うんですよ、だから〇〇をした方が良いと思うんです!!」
という主観しか持ち得ない動物度100%の直観型と勘違いしている漫画の主人公的な人間(私が代表的です)がいますが、この意見のみだと一方向すぎて失敗しやすいのは誰の目に見ても明らか。
自分の意見がいいかどうかは他人が判断する。
そして他人が判断するときに芽生えるのは「共感」と「理解」
そこを深める材料を増やし地図を作ることって、なかなか教わらないことだと思う。

例えば企業向け動画制作の場合

動画という分野でやる、
動画で人々を幸せにする、
企業で働く人々のためになり社会のためになる、
そのために必要な動画を作る

というように自分がやりたいものが見えて、
さらにそこで4Pや4Cを見据えて地図ができた。
動画の場合はそこから「制作」という段階に入っていく。
動画の場合はこの制作の流れを作り、
パートナーやフリーランスに外注するのか、
はたまた自分で全部をこなしていくのか、
さまざまなやり方があるが
この制作のワークフローをしっかりと作っていくことが重要である。

企業動画の制作の流れの例



【オリエンテーション】
社長インタビュー、新規事業紹介、若手社員着目など、「ぜひモノ」をこの段階で決めておけると◎。Web 流用あり、パーティーでイメージ動画として流すなど、使用範囲も決めておこう。

【取材日程調整】
遠隔地など同席できない場合は、現場担当者 をアサインしておくこと。屋外撮影の場合は、天候にも留意を。スタッフと延期基準のすり合わせや予備日設定も忘れずに。

【取材・撮影】
事前に撮影内容のすり合わせは必須事項。事業所や工場などの場合、背景に映り込んではいけないものがないか要チェック。スタッフのネームプレートは個人情報のため取っておくのがベター。

【初稿:仮編集素材&ナレ原】
編集素材で映像とキャプションを確認。文字の校正チェックはこの段階でFIXしておくとベター。ナレーション原稿で更新が必要な部分はキャプションだけにしておくという手も。

【MA】
音入れをしてしまうと編集が難しくなるため、MAの前に流用動画の尺の確認なども忘れずに。気になるところがあれば、MA前にすり合わせしておくのが、工数短縮のコツ。

【納品】
映像と合わせて二次流用範囲の確認。Web サイトと連動する場合、格納する場所の確認もお忘れなく。

特にクリエイティブ業に起こりがちなのが、
この辺りの導線ができなて、大雑把な制作になり
修正の対応がものすごく多くなったり、
場合によってはクレームレベルにまでなることがある。
もちろん熟練のクリエイターは色々かいつまみながら一流の物作りができる人間もいる。しかしそれがデフォルメされていては、一部のできる人間以外のクリエイティブがどんどん低下していき質の低い作品が世の中に溢れかえる。
そして質の悪さはリピートにはならず、
何食わぬ顔してならず者が増加し、仕事は減っていく。
そうならないためにもしっかりと制作のフローを作ることは大切だ。

モチベーションの維持

最後にそういった流れが出来上がったとはいえ
新しいことを長続きさせるにはつまらない作業をしなければならないし、
すぐにそれがいい仕事に結びつくとは限らない。
大切なことは根本のモチベーションをいかに維持していくかである。
そう考えると日々仕事に忙殺されるのは幸せなことなのかもしれない。
仕事がない、時間はある、お金の心配もある、未来に不安がある…
このような状況こそが人間のモチベーションを低下させるのかもしれない。
漫画や動画や本でモチベーションが上がることがあると思うが
一過性のものにすぎず僕はそれをドーピングモチベーションと呼んでいる。

大切なのは大きな変化ではなく、日々の継続につながるモチベーションなのだ。
もちろん自分の夢や理想にもえて情熱的なことは大切だが、
それはあえて言わせてもらうと当たり前。大前提ということだ。

何より人と会うこと、話すこと。

毎日モチベーションが高いであろう人間とコンタンクとを取り続けること、
そしてそこから繋がりを広げ続けることが最も大切である。

自分自身の地図は常に未完成だ。
人に会って、スポンジのように自分に足りない要素を吸収する。
そしてそのモチベーションを維持して毎日をアップデートしながら
日々挑戦していくことが
新しいことをスタートするということなのだろう。

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