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フリーランスとしての営業スタンス

僕が動画業界に足を踏み入れたのが2011年3月11日で会社を辞めて、
何か自分のやることが世の中のために発信できないものか?
と考えた末にたどり着いたのが動画という手段だった。
この時の背景は一眼カメラで動画が制作され始めた頃合いで
プロだけではなく一般人も10万そこそこのお金でかなりいい機材が購入できた。
僕が一番初めに購入したカメラは
Canon7D レンズはTamron24-70。三脚は電化製品で売ってる数千円のもの。
動画を教えてくれる師匠的な人もいなかったので、
ホームページをやっていた友人と遊び感覚で動画制作を始めた。
照明もマイクも使わず、一眼カメラ一つでよく街を徘徊したものだった。

当時の営業方法は以下に実績をいい感じに作って、ぶっ込みで売り込んでいくか?
のみだった。
今ほどSNSによるコミュニケーションも活性化ではなかったので
現在あるようなyoutuber系やHow to系動画は存在していなかったような時代だ。

営業のきっかけ

今も昔も変わらない僕の考え方の一つに
・どの市場が動画を求めていそうか?
・どの市場が動画映えしそうか?
この二点に絞ってクライアントを探していた。

これはいつの時代でも変わらずに大切なマーケティングの一つだと思うし、
自分たちのやりたい表現とマッチングさせていくのでやりがいも生まれる。

当時の僕はファッション業界が華やかで動画映えするのに
手軽なネット動画形がほとんどない、という現状であった。

今も変わらないと思うけどアパレルの中小は基本予算がない。
特に独自でブランド展開しているとなおさらだ。
広告費に割く予算がない、しかし無理してもコレクションに出したりしているブランドが多かった。
僕は東京ファッションウィークに目をつけて、そこに出店するブランドに
片っ端からメールしまくった。
「動画で世界に発信しましょう!!」的なテンションで。。。

僕としては自分のポートレイトも何もないに等しかったので作品作りがしたかった。
・公式に使えるもの
・照明やマイクもないので初めから演出されているもの

そして無料でカッってにプロモーションしますというと結構オッケーが出たりする。
なぜならファッションウィークまで過酷な亮ジュート予算でやりくりしている中、
どうしたって広告を打ちたい気持ちだってあるのがビジネスだろう。
無料だとしたら「まぁいいか」ぐらいで許可をもらえるところが多かった。

ここでポイントなのが、
無料で制作することは決してクリエイターにとって良いことではない。
僕の場合は明確に次の営業に使うための華やかな経歴が必要だったから。
目的意識をしっかり持った行動なら
お金は後からついてくるという強い意識が必要だ。


営業スタンス

そうしてファッションとは無縁な西多摩の田舎者が
洗練されたコレクションの世界に飛び込み自分が撮影してみたかったように撮りまくった。

【Fashion Week Tokyo 2014-2015AW 】 Onitsuka Tiger x ANDREA POMPILIO
https://youtu.be/k9QkxD3TR_Q

【THEATER PRODUCTS】 2014S/S Collection
https://youtu.be/NMhn0m8bLMI

【araisara】 Autumn Winter 2014-2015 back stage
https://youtu.be/vKCsSsAq1QY

大体がバックステージの様子をもとに1日の様子を撮影するものだ。
しかし当時も今も感じるが、ここまで世界観をいろいろ試行錯誤しているブランドたちなのに、記録する動画はとてもテレビ的なものばかり。
過剰演出型でよりカッコよく、ブランディングのためのCM的なものを僕は作りたかったし、その方が営業ツールにも使えた。
今見るとかなり強引だし、稚拙な部分も多いが、ポートレイトになることを考えたら当時としては大成功だった。
そしてこの経歴?を元手にどんどんアパレル系にメールしまくってアポイントを取っていった。

ちなみに僕は小学生からずっとバスケしかしてこなくて、就職もせずバスケをしていたし、
その後夢破れて就職したところは完全なガテン系の現場職人だったしで、
このようなハイセンスなファッションとは無縁だし、友達にアパレルのツテがある人間も皆無だった。
順調なキャリアアップなんて全くなく、日雇いバイトでその日をつないでいた。
逆に失うものは一切なく、バカみたいなことを言うのも全然気にしなかった。
独学で覚えた少しの動画を武器に
「一緒に動画で世界を変えましょう!」とメールが来ても相手にされないことがほとんどだ…
と思うかもしれないが、意外に結構返答が来た。

ホームページのお問い合わせフォームとかしか連絡するすべを知らなかったので、
メールを送るなら、他の営業の人間が絶対に書かないことや、
営業先に会社のことを調べて、いかにメールのテンプレではないかを、人間臭さを強調するようにした。
他の人間がするようなことをしてては、他と一緒か、相手にされないかしか選択肢はない。

そんな流れでお仕事にまで繋がったものももちろんある。

【parimiki】サイネージ用cm
https://youtu.be/tEbBX3sNEck

【xgirl】20th anniversary
https://youtu.be/GkTPOrwJlEc

ENERGY FIT feat. Che’Nelle
https://youtu.be/J2OL97m8XOU


現在との比較

その後僕は創設間もないC CHANNELさんにもぶっ込みで営業して、
そこから必死で食らいつき毎月100本以上のネット動画を制作し、
今のHow to系動画の基盤を必死に作っていった。

時代の流れの変化とともに質より量の動画コンテンツが増えていき、
どんどんクリエイティブファーストのものとの差別化が生まれてきた。
僕はどんな仕事も瞬発的に、クライアントと一緒にぶち上がっていくと言うテンションで動画の制作に携わってきた。

わかったことがある。
情報凝縮型動画(How toやYouTuber系)はクリエイティビティがあまり必要ないと思われがちだし、実際そう言う動画コンテンツも多いことから、
1本あたりの単価の価格破壊が起こりやすい。
もはや数千円が当たり前と言う感じ。
もちろん副業としての取っ掛かりとしては全然いいとも思う。
お金を稼ぐと言うのはそれだけ大変だと思うし。

しかし情報凝縮型動画で大切なことは企画や構成であって、
動画そのものにならないことが多い。
予算をかけないでいかに本数を作っていくかと言う流れは止まらない。
そしていずれはクライアントの自社内で完結するために
フリーや副業の人間が切られていく。

取っ掛かりとしての動画制作がある程度見えてきたら、
自分のやりたい表現と、そこにマッチングしそうな市場をマーケティングして
自分の経歴を作ることに重きをおくのが良いと思う。
自分の武器と自分の見積もりをしっかりとつけておくことが
営業に引っかかりやすいフックになりうると思う。

自分もそんなこんなで会社もそろそろ5年目を迎える。
動画の案件の内容はいつの間にか増え続けた。
社員も増え、一緒にやるフリーランスも増えた。
総勢15名以上。
ただ、もっともっと面白い景色が見たいし、
自分が面白いと思った土台を社会に浸透させたい。

僕自身、再度自分の武器を作り、市場を見極め、営業していこうと思っている。
そうやってどんどんレベルアップしてく体感が最高に楽しい。
人生一回こっきりをチャレンジし続けてやろうと決意し、2020をかけ続けていく予定だ。


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