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未来型思考でいること

動画制作という性質上、クリエイティブの高さが仕事の量や単価とイコールと思われがちなんだけど、
それはあくまで個人型で仕事を受注するケースで多いわけです。
組織やチームで動く際に必要なスキルやクリエイティブをいかに
「未来に活かす術として」実践できているかが重要か
っていうお話です。

感情論での仕事

僕自身がフリーランスの動画クリエイター的な出発点だったこともあり
仕事の受注となるとまずはカメラマンとしてという依頼が最初は多かったです。
今でも自分の撮影が好きと言ってくれる数少ない方々もいてくれて、
そういうご依頼の際は練習しながらも自分で撮影することがあります。
やっぱり現場は楽しいし、そこでのコミュニケーションが次の仕事にも繋がるしで「得られるものが沢山あるなぁ」と感じるのですが、
それはあくまで撮影=カメラマンの依頼が多いということ。
会社を立ち上げてからも自分の周りはフリーのカメラマンが多かったこともあり
スポットでの撮影依頼は結構きていたんですが、
企画から演出、編集もガッツリ!みたいな案件は数少なかったです。
そして仮にそういった制作ガッツリの案件が来ても捌ききれない現実もありました。

要は自分自身がカメラマンという視点しかなく、
その動画制作というクリエイティブにはとても関心があったのですが
そのスキルをどうやって活かしたら社会的に価値が見出せて
自分たちのビジネスレベルが上がってネクストステージに行ける!
とは考えていなかったからだと思っています。

依頼してくださる方々も
フリーランスがいっぱいいる依頼しやすいチーム
くらいの印象しか持っていただけなかったのかな?とも思います。
僕自身の話になりますが、感情的な部分で意思決定していたこともありますし、
関わる人との関係性や信頼関係でお仕事をいただいていた部分が大きかったと思います。
そのような信頼関係を構築することは決して間違いではないし、
信頼ある相手とは長く付き合って行けています。
とても大事な要素だと思います。
けれど自分の価値をブラッシュアップしていかに未来型思考で客観的に捉えてアウトプットしていくかという行為は感情論ではどうにもなりません。

個人の限界

フリーランスをやっているときに感じた自分の限界がありました。
僕の技術や性格の問題もありますが、当時の月収の限界が見えてきた瞬間がありました。
日雇いバイトをやりながらフリーターしてた時の月収は15万程度でした。
そしてその時はお金全然足りなくてもっと仕事も欲しいしお金も欲しいと渇望していました。
そこから動画クリエイターとしてカメラマンをメインに色々な仕事を経験しました。そして自分で仕事をとって進めていくという分野において、僕の営業力や今できるクリエイティブの限界値が見えたのが数字でした。
大体月収70〜100万がいろんな案件の入金が重なったり、
繁忙期が重なったときにほとんど休みなく働いたときに見えた景色でした。
お金の数字以外にあまり積み重なって得れる物が少なく、
毎日仕事でバタバタして遊ぶ余裕もないという印象でした。
もちろんもっと貰えてるフリーランスの方々はごまんといるでしょうし、
むしろ70万以上も貰えるならバンバンザイじゃないかって思う人もいるでしょう。
けど自分が感じたことは
「今しか見ていない自分の能力をどれだけ発揮しても
これ以上いけないのか」という自分という個人の限界でした。

テンションだけの限界

自分が会社にしたきっかけとなったのはC CHANNELさんという動画メディアの
初期の頃に制作として関わらせていただくことになり、
C CHANNELさんの爆発的な成長に合わせてどんどん制作の手が必要になり
それに合わせて僕も知り合いのフリーランスの先輩方や友人に声をかけまくって
どんどん会社のメンバーを増やしていきました。
社員は社長の自分1人であとはみんなフリーランスでした。
スタートアップでの試行錯誤の体験はその後の動画制作会社としてかなり貴重で重要なものとなりました。
先週言っていた事と今週言っている事が違い制作体制が変わるなんてことはザラにありましたし、何より動画制作のスピード感が半端なく早かったです。
今日撮影したものを最速では次の日に納品するなんてこともありました。
幸い自分のチームは週末にウェディングのエンドロールムービーを撮って出しするというプロフェッショナルな人々が多数所属していたので、
瞬発的な画作りやオシャレな編集が得意でしたし独自のポジションが形成していけたと思っています。
毎月何百本という動画を制作するにあたり、今まで作りたいと思っていたCMやMVのような長ければ数ヶ月を要して作成する動画とまるで畑が違うことを実感し、
日々のスピード感が大変でもあり、めちゃくちゃ楽しくもありました。
けれど動画制作を武器とする会社として思うことはクリエイティブのスキル自体に成長が見られるのか?という疑問もありました。
スピード感は慣れてしまえばある程度技術を持ったものならできてしまう代物でしたし、動画自体の価値ではなく、動画メディアとしての全体の価値があるからそこにビジネスが生まれていると実感しました。
要は僕らの知見やクリエイティブはいくらでも変えが効くということでした。
C CHANNELさんのおかげで僕の会社も成長できたし色々な新しい体験や知識も得る事ができました。けどそれはあくまでC CHANNELさんが作った土台であり、
その土台がないと生きられないのがその時の僕らでした。
いつも僕は言っていました。
「自分の取り柄はテンションと行動力!」
しかし土台に乗っかるだけのテンションでは限界が見えましたし、
それなら子会社になるような努力をして自分たちもその土台の上で新しいことにチャレンジすると言った会社のビジョンを導き出さなくてはいけないと思いました。
僕は自分は遠回りでも自分ができることで自分の土台を作っていくことにチャレンジしたい、そう思って動画メディアの撮影現場から段々と遠のいていきました。
そこで培った大切なことは変化し続け、成長し続ける組織のあり方と常に社会に良い影響を与えていこうという行動力でした。

自分たちの価値とは?

そこからは色々なクライアントさんとお仕事をすることも増え
技術力も上がっていきました。
しかし基本的に受ける仕事のほとんどはスポット的なものや
代理店さんからの自由度の少ない案件でした。
僕らは小回りがきいて単価も低く抑えられる印象、を脱却できてはいないと感じました。
ちょうどその頃に太い付き合いをしていた代理店さんと急に連絡がつかなくなりました。入金されるはずの日に入金もなかったので不安になりしつこく連絡していると、その会社が倒産してしまうという事実を知りました。
結局800万近くの損失を被り、自分の会社も潰れかけました。

日本政策金融公庫からお金を融資してもらいなんとか倒産の危機を脱し、
繋がりや新規営業をしながら少しずつ回復の兆しが見てきました。
教訓は繋がりがあってもしっかりと契約書を巻くこと!
という当たり前のことを学びました。

そして結局色々な企業さんの仕事は増えたとはいえ
自分たちの価値が強まったわけではなく自分たちが都合よく需要のタイミングに重なっただけということもわかってきました。
自分たちの価値をより磨いていかないと本当に社会的に必要なチームにはなれないと思いました。
この辺りから自社で事業をするということをより意識し始め
諸先輩たちに壁打ちをして色々なことを学ばさせてもらっていました。
業績も少しずつ戻ってはきましたが社員や経理を増やしたことによって固定費が上がり赤字は続いていました。
しかし長期的にみると売り上げが上がる見込みが持てる契約も控えていたし、
その中で自社事業を暖めていたので準備を終え次第スタートを切って新しく自分たちの価値を作っていこう!と意気込んでいた時です。

そんな時に新型コロナウイルスが流行ってしまい全てが吹き飛びました。
緊急事態宣言の最中では売り上げはほとんどゼロに近いものになり
またもや倒産の危機に瀕しました。
自分たちの価値どころではなく生き延びるために必死でした。
しかし焦ったところでどの業界もほとんどが似たような状態でしたし、
身動きが取れない状況は変わりませんでした。

そんな折に自分たちにできるとこをしようということで始めたサービスがベビムビ!という家族向けのサービスでした。
サービス自体は動画でしたので自分たちの知見をフルに活かすものでした。

そして自分たちの価値が何か?という問いに対して現時点で生まれたものとは
「動画という武器でどんな状況でも自分たちでできることをし続けた」
ことによって得られた未来型思考というものでした。

求められる未来型思考とは?

僕の場合ですが自社事業を極小ながらもスタートしたということから、
4thclueが「ただ単に動画を作るという会社」ではなく、
「動画という武器で未来に何が適正かを考えられる会社」に周りの見られ方も変化していく実感があります。
それは僕を含めてみんなの意識が動画を制作するということから
時代にあった選択を動画という領域でするには何が良いのか?
というマインドになったことが大きいと思います。

正直未来についてなんて何が起こるかわからない、
わからないから思考停止する、のではなく
「自分たちにできることで行動を続けること」それによって見えてくる答えこそが他の企業にはできない武器となりうるのかと思います。

実際に最近の案件では大型の広告案件から
企業の動画事業部の立ち上げだったり
スタートアップの動画パートナーだったりと
スポット案件というよりはそれ以外での相談が多い状態です。
そしてそうやって安定した売り上げが見込めるからこそ自社事業にも打ち込める状態になりつつあります。
動画という今の時代に求められる商品を未来に活用するにはどのような手段を用いるのが良いのか?
自分たちなりの解釈や企業やコンテンツごとにあったクリエイティブとマインドを提示することによってチーム規模での案件が増加しています。

結論

最初に書いた、組織やチームで動く際に必要なスキルやクリエイティブをいかに
「未来に活かす術として」実践できているか?
この問いに対する僕なりの答えは3つほど過去から導きだせるかと思います。

①まずは個人ができる領域を細分化し今現在の限界を知ること。個人でできないことがチームだと何ができるか知ること。

②色々な案件が獲得できて満足するのではなく、自分たちの土台=強みを作るを意識して構築すること

③どんな状況に陥っても自分たちにできること(強みを活かす)をし続ける根気強さ

この3つの「未来に活かす術」を実践し続け、自身のスキルやクリエイティブを変化成長させることが
未来型思考で新しいステップとしての企業さんとの繋がり方になったと思います。
変化し続ける未来について考察を常にすること、という前提条件の上で。

ずば抜けたクリエイティブをもったクリエイターなのか
未来型思考で変化し続ける共同体なのか

どちらも表裏一体でどちらも同じでないといけないと思っています。
変化=成長とよく言ってるけど、
もちろん変化するときは今までと違うことをしなければならないので大変だし憂鬱です。
成長し続けるには変化し続けること
そう思うと「憂鬱でなければ仕事じゃない」って言葉は的を得ていて背中を押してくれます。


未来は誰にもわからないからこそ
未来について考え続ける
自分たちの強みを未来に適用する行動をする個人やチーム
そんな組織を企業や社会が求めるのは必然ですし
より一層この不安定な2021年以降の世の中で求められていくと思います。



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