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「境港妖怪検定」合格発表に思うこと

10月22日(日)に行われた「第12回 境港妖怪検定」の合格者が発表された。

http://youkai-kentei.com/goukaku_kaijyou/

受験データは以下のとおり(左から「受験人数」「合格者数」「合格率」。

【境港会場】(総受験者数105人)
初級=50人/28人/56.0%
中級=23人/2人/8.7%
上級=32人/2人/6.3%

【調布会場】(総受験者数176人)
初級=98人/58人/59.2%
中級=78人/11人/14.1%

級ごとの合計合格率は、初級が58.1%、中級が12.9%と、ともに「過去最低」を記録(上級は合格者が1人だけだった第8回の4.0%に次いで低い)。全体の合格率も35.9%と、上級初開催となった第6回の38.6%を下回り、こちらも「過去最低」となった。
今年の問題が難しかったのか、受験者の質が下がったのか分からないが、最近5年の合格率は概ね50%前後なので、かなり下落が大きい。

上級はともかく、初級と中級の合格率がこれほど低いと、受験者が気軽に参加できないと思われてしまう危惧もあり、今後、さらに人数が減少する可能性もあると感じる。ちなみに一般的な「ご当地検定」としては「初級クラス」の合格率は概ね70~90%台で、「上級クラス」になると一桁台が多い。

受験者の総数(281人)は前年より30人減。第1回から第8回まではすべて400人を超えていたが、最多となった第4回の760人以降は減少傾向にあり、第9回~第11回は300人台だった。
そして今回、初めて300人を割り込んだ。台風の影響で複数人の当日キャンセルが生じた上でなので大幅減というわけではないが、危機感はかなりある。

また、過去のデータに会場別の内訳がないので比較はできないが、今回、初級・中級とも境港会場のほうが合格率が低い。当然、両会場ともある程度は地域住民の受験があるわけで、もしかしたら「町への思い入れの差」が「結果」として表れていないだろうか、と思ってしまう。

もっとも、それ以前に「受験者数が境港のほうが少ない」のが大きな課題。
当然だが「級」が上がるほど真剣さが高いと思うので、中級で人数差が大きく出ているということは「境港が町の魅力に欠けることを示しているのではないか」と考えさせられる。しかも中級の境港会場の合格率が、調布と比べてかなり低い。「上級」を見据えて「中級から境港で」とはなっていないのは確かだろう。

検定名に「境港」と付く以上、もっと「境港で受験してこそ意義がある」ものにしていかなければならないのではないだろうか。何らかの特典を設けるなどの集客対策を講じるなど「水木しげるロードの本来の町づくり」とも相俟っての活性化が求められる。例えば「ご当地問題を増やし、境港で受験したほうが有利だと事前にアピールする」「境港会場限定の記念品を出す」「受験者のみが使える割引券を発行する」「水木しげるロード内でイベントを実施する」など、「ご当地」の意味を強めるべきだ。

「ご当地検定ブーム」は薄れてきており、受験者が大幅に減って廃止されたものも多々ある。
今回は、その危機が「数字」となって表れたと言っていい。「400人台の受験者」「境港での受験者が総人数の60%以上」「初級70%、中級30%以上の合格率」あたりを目安にした指針の見直しが必要だと思う。


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