見出し画像

プラモから入らずにプラモの記事を書く。記事の書き方で最近考えていること


プラモデルの話から入らない。

特定の話題への入り方そのものを”オープニング”と呼んでいます。プラモじゃない何かから入るオープニングを経ると必然的にプラモデルに興味がない人にリーチする確率が上がります。そうすると新しくプラモデルを作ってくれる人が増えるかもしれない。ユーザーが増えればプラモが売れ、新しいプラモデルがどんどん作られるというわけです。

人と仲良くなるときにいきなり「仲良くなろうぜ!」という方法もありますが、それ以外にもありますよね。互いに好きなものについて話すとか、どこに住んでいるとか。そこからフィーリングが合うなら仲良くなる。この最初のやり取りが「オープニング」に相当します。プラモ作る人が増えて欲しいのは確かなのですが、「プラモ作ろうぜ!」と叫ぶのは「仲良くなろうぜ!」と直球に言うのと似た部分があります。目的がはっきりしていますが、よくわからない人にそう言われてもいきなり仲良くするのは難しい場合もあります。なので、オープニングに凝る余地があると思います。


プラモデルが作りたくてプラモデル売り場に行くのは確かなんですが、飛行機が欲しくて飛行機を買いに行くのと、あるメーカーのパイロットウォッチを買って、その供給先となっていた国の飛行機のプラモデルを買うのって違う。ああ「トップガンマーヴェリックを見て出てきた飛行機を買う」もそんな感じ。トップガンマーヴェリックからホーネットやトムキャットのプラモデルが欲しくなったみたいなスライドはわかりやすいと思う。


じゃあ、そういうことは映画を観に行くとか特別な体験をしないと起こらないのか? というとそんなことはないと思っています。私は靴と服の話をすることが圧倒的に多いのだけど、それはこの二つとプラモデルが好きだから。なので、プラモデル以外の好きなものとプラモデルが組み合わさっているに過ぎません。

◆ ◆ ◆ ◆

例えばパフェを食べに行ったら、いろいろなフルーツが積み重なっていることと、艦船模型の艦橋は似ているんじゃないか?なんていう話はできちゃう人はできちゃうと思う。

近場で人気の喫茶店で秋の和栗のパフェを注文して見ましたが、同行者が頼んだイチゴパフェとフルーツの違いはあれど食材を積んで行く順番は基本的に同じ。これは自衛隊の護衛艦と似ている部分がありますね。

なんて。しかし、これが

自衛隊の護衛艦であるXXXとYYYは共通の部分が多く~これはまるで私の地元の喫茶店にある秋の和栗パフェとイチゴパフェの違いのようです。

と書くとこれはもうプラモやそれの元となるモチーフに興味がないと読んでもらえない。狙っているのならいいのですが、私はとにかくプラモ作ってない人に作ってもらうをほとんどの記事のゴールにしているので狙い通りにはならない。このドアを開ける順番に考えどころがあるなと思うわけです。

また、写真もパフェから入ると「パフェ→プラモデルのランナー→完成した様子」と組めますが、プラモから入ると「プラモデルのランナー→パフェ→完成した様子」パフェが間に挟まりランナー→完成の流れが組めなくなります。

◆ ◆ ◆ ◆

このプラモから入らないプラモの話はオープニングの構成を考えるのがとにかく楽しいです。バシッとハマれば説得力のある記事が出来上がるし、そこまではまらなくても「なんか服と靴に詳しい人がプラモデルも詳しくてその二つの類似性を整然と語っている」というユニークな状況が生まれます。

僕は服と靴ですが、なんかもっとこう……いろんな趣味があるはずなので、そういう趣味から入るプラモの話は、他人の趣味の楽しみ方とそれを投影したプラモデルライフが見えてくるのでとても楽しいと思っています。


今後も製作記と他愛もない話をセットで書ければと思います。 サポートしてくださると嬉しいです。