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ケツァルコアトル・テスカトリポカ(まとめ)


まいどまいど、踊りゃんせ〜〜

メソアメリカに君臨していた兄弟神についてまとめてみたぜ。自分の勉強がてらに!
時代は「東洋文明」になってきてるみたいですが(笑)懲りずに西洋の神話・宇宙観掘り下げていきます!


・ケツァルコアトル

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ケツァルコアトル(ナワトル語: Quetzalcōātl 英語: Quetzalcoatl)「羽毛ある蛇」アステカ神話の文化神・農耕神である。また金星神、風の神とも考えられた。別名「エエカトル(風の神)」、「トラウィスカルパンテク(金星の神)」、「セ・アカトル(夜明けの神)」、「ショロトル(双子の神)」マヤ文明では「ククルカン」という名で崇拝されており、トウモロコシから人々を作った逸話も存在する。


中米では紀元前10世紀頃からアステカ族による文明が始まり、スペイン人に滅ぼされた1521年まで発展し続けた。この頃のアステカ族は、主にネコ科の動物(特にジャガー)が崇拝されていたが、紀元前1~紀元前3世紀頃になると、次第にある種の蛇が最高神と考えられるようになる。これこそが「翼を持った蛇」と呼ばれるケツァルコアトルである。






・テスカトリポカ

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テスカトリポカ(Tezcatlipoca)は、アステカ神話の主要な神の1柱である。ケツァルコアトルの兄弟であり宿敵。神々の中で最も大きな力を持つとされていた。Tezcatlipoca は、ナワトル語でtezcatl (鏡)、poca (煙る)という言葉から成り、従ってその名は「煙を吐く鏡」を意味する。鏡とは、メソアメリカ一帯で儀式に使用された「黒曜石の鏡」のことを示す。



その神性は、夜の空、夜の風、北の方角、大地、黒耀石、敵意、不和、支配、予言、誘惑、魔術、美、戦争や争いといった幅広い概念と関連付けられている。この神の持つ多くの別名は神性の異なる側面を示している。



・アステカ文明(ケツァルコアトル)

ケツァルコアトルは神々の中で最も強い勢力を持つ全能の神とされる。その姿は、王の権威を象徴するケツァール(霊鳥の緑色の羽毛)を持った蛇、または緑色の羽毛の翼を持った蛇というように描かれる事が多かったが、単純に縦の線が長い十文字の記号だけで表されることもあった。また時には白い肌、黒い髪に長い髭をたくわえた、凛々しい人間の王の姿となって現れるともされた。

 ケツァルコアトルは戦いを嫌い、たとえ他の神々が反対しても人間に味方する心優しい神とされる。彼は人間の創造主で、人間に文化を与え、トウモロコシの栽培方法を教えてそれを主食とさせ、火の起こし方や酒の造り方、神々への崇拝の儀式の仕方などを教えた。もし彼がこれらの事を教えなければ人間は飢えや寒さをしのぐこともできず、神々の怒りに触れて滅び去っただろうと言われている。

 また、翡翠の宝石の発掘と工作、織物の技術、時間の算定方法、星の運行、暦の作り方などの生活技術から、断食や節度ある生活、他者に対する愛情、過ちの訂正などといった豊かな精神活動に至るまで、ケツァルコアトルはこと細かに人間に教えていった。

 ケツァルコアトルは生命をもたらす「金星」の神でもあった。金星は夜の闇とともに地平線に姿を消し、次の朝再び東の空に輝く為、死からの復活を表しているとされた。これが死から蘇ると伝えられる蛇と結びつき、ケツァルコアトルを示す星だと考えられていた。

 このような人間に恵みを与えてくれるケツァルコアトルの崇拝は長く続いた。テスカトリポカは捧げ物に人の命や血を求めたが、ケツァルコアトルが求めたのは霊鳥の羽毛と蛇、そして蝶だけだった。


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写真:テオティワカン(メキシコ)



・マヤ文明

ケツァルコアトル崇拝は、アステカ族の発展とともに、中南米に広く伝わっていく。とくにメキシコ半島南部のマヤ族に伝わったケツァルコアトルは、ククルカン(またはグクマッツ。「羽毛のある蛇」)と呼ばれ、崇拝された。けれど最高神として崇拝されたのではなく、かつて力のあった神々の一人として、敬愛される程度だった。

 ククルカンへの崇拝は、シュルと呼ばれる月にククルカンを主神と崇める町々へ、羽毛で作った旗を奉納するだけのものだったとされる。祭りの期間は五日間で、酒と肉を好きなだけ食べるという平和なものだった。ククルカンの意向どうり、人身御供だけはけっして捧げられることはなかった。

 マヤ神話のククルカンは神でありながら同時に人間の偉大な王であったとも言われている(日本でいうと天皇のようなもの)。そして神話によると、平和と学問でマヤ族たちを納めていた善王トピルツィン(ククルカン)は魔神テスカトリポカを崇拝する軍人達のクーデターと、テスカトリポカの邪悪な魔法で玉座を追われ、国を追放されてしまう。トピルツィンはなんとかメキシコ湾岸までたどりついたが、これ以上逃げられないとわかると、部下の前で自分の体を羽毛で包み、炎の中に飛び込んでしまう。すると彼の魂は天に昇って「金星」となり、神々の一員として地上を見守るようになった。

 またトピルツィンは、蛇で造ったいかだに乗って必ず帰ってくることを近い、海の東の果てにあるといわれるトラパリャン(赤い土)と呼ばれる土地へ向かったといわれる。このトピルツィンとは西暦1000年前後に実在した王で、そして彼の伝説とアステカのケツァルコアトル伝説が交じり合って、トピルツィンの追放の物語ができたと言われている。


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写真:ククルカンの神殿 






・天地創造

アステカ創造神話の一つに、テスカトリポカとケツァルコアトルが力をあわせて世界を創造したという伝説がある。創世が行われる前には、2神の前には海しかなく、Cipactli (シパクトリ、ワニの女神)と呼ばれる大地の怪物がいた。怪物をひきつけるためにテスカトリポカは自らの足を餌にし、怪物はその足を食らった。2神は怪物を捕らえ、その身体から大地を作った。その後、人間が創造され、人々はシパクトリの苦痛を慰めるため生贄を捧げることになった。この伝説によって、テスカトリポカは片足がない姿で表される。





・世界創造〜追放まで

現在の世界が創造される前に、世界は三度作られていた。創造を受け持っていたのは、神々の中でも特に有力だったケツァルコアトル(羽毛ある蛇)と、戦いの神・テスカトリポカ(煤けた鏡)だった。テスカトリポカの造った世界は野蛮で粗暴だったためすぐに滅び、またケツァルコアトルが二度作った世界は、テスカトリポカの妨害で破壊された。

 四度目の世界はケツァルコアトルが作ったものだが、あるとき突然空が落下しそうになり、滅亡の危機に陥った。天が落ちてしまえば二度と元に戻すことはできないので、その時ばかりはテスカトリポカも世界を守る事に協力し、二人で天と地に大きな木を生やして天を支えた。それからは2人は手を結び、ともに天の王座について世界を見守る事になった。これが我々が現在住んでいる世界とされる。

 しかし、世界は完成したものの、神々のための儀式を行う生物がいない。そこでケツァルコアトルは新しい生物を作るために、たった一人で地下の冥府へ降りていき、死者の国の支配者・ミクトランテクゥトリのもとを訪れた。そして生命を作るために、宝石と化したかつての生物の骨を分けてくれるよう頼んだ。しかし、ミクトランテクゥトリは宝石の骨をケツァルコアトルに渡す事をしぶり、地獄の犬をけしかけた。ケツァルコアトルはなんとかその場を切り抜け、宝石の骨を天上に持ち帰ったが、それは犬の牙によって粉々に噛み砕かれていた。壊れた宝石の骨では命を造ることができない。

 そこで、ケツァルコアトルは自分の手足(または生殖器)から血を採り、それを砕けた骨の上に注ぎかけた。すると神の血を吸った宝石の骨は、見る見るうちに人間の姿に変わっていった。それを見ていた他の神々も皆同じように人間を作ったので、たくさんの人間が地上で暮らすようになった。


平和を愛する文明の神ケツァルコアトルは、アステカの貴族や神官、農民から崇拝されていた。しかしアステカ族が次第に勢力を増して他の部族との戦争が繰り返されるようになると、軍人の地位が向上し、彼らの崇拝する戦いの神テスカトリポカが力をつけてきた。そしてテスカトリポカは、アステカ族の崇拝を独占しようとして、ケツァルコアトル追放の陰謀を企てた。

 まず、テスカトリポカはケツァルコアトルを酒宴に招いた。そしてケツァルコアトルはテスカトリポカからキノコから造った幻覚剤(マジックマッシュルーム)の入ったトウモロコシ酒を勧められ、それを飲んでしまう。正気を失ったケツァルコアトルは、テスカトリポカが与える美しい娼婦達と淫らな日々をすごし、神としてのつつしみを忘れてしまった。やがて正気を取り戻したケツァルコアトルは、自分が不浄なものに汚されてしまったことに気づく。神であることを忘れ、堕落した時間をすごしたケツァルコアトルからは神の力が失われていた。

 テスカトリポカはその時を逃がさず、ケツァルコアトルに、はるか西方のだれも知らない場所、トリラン・トラパラン「黒と赤の国」へ追放を命ずる。ケツァルコアトルは、セ・アカトル※「葦の1の年」に再び戻ってくると予言して、はるか西へと立ち去った。以来、文化と平和の神を失ったアステカの国々は、テスカトリポカの望みどおりに戦争だけが繰り返される国となった。

※セ・アカトル(葦の1の年)…トナルポワリといい、260日の周期を持つアステカの祭祀暦での数え方を表す。
260日の暦はメソアメリカで一般的に見られ、マヤ暦でツォルキンと呼ばれるものと基本的に同一である。







・5つの太陽伝説

最初の世界はテスカトリポカが太陽として支配していたが、ケツァルコアトルによってテスカトリポカは大きな棒で殴られ水の中に放り込まれ、太陽の座を交代した。そこで彼はジャガーに変身して水から飛び出し、世界に住んでいた巨人を皆殺しにしてしまった。

2番目の世界はケツァルコアトルが太陽として支配したが、ジャガーに変身したテスカトリポカが現れケツァルコアトルを蹴り、太陽の座から追い落とした。この世界に住んでいた者たちを強い風が運び去り、一部の残った者も猿に変身させられた。

3番目の世界はトラロック(雨の神)が太陽として支配したが、ケツァルコアトルが天から火の雨を降らせ、トラロックを太陽の座から引き摺り下ろした。

4番目の世界はチャルチウィトリクエ(翡翠、水の神)が太陽として支配したが、大洪水によりこの世界に住む者は流され魚に姿を変えられた。今の世界は第5の世界に当たる。







関連リンク


ケツァルコアトルの象徴・金星!うさぎの日



暦の上で大事な日!緑のトウモロコシ


過去・現在・未来、全てのものを見通す黒曜石の鏡


いや〜、今回アステカ、マヤ文明を舞台にしたケツァルコアトル・テスカトリポカ編をまとめてみて思ったんですけど、この兄弟対決っていうかこの仲の悪さどっかの「兄弟神」にソックリだと思いません?

まあ今回それやっちゃうと長くなっちゃうので

また来週〜👋👋👋👋👋








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