非日常と非現実の一日
近所に住む一人暮らしのその人は、ホームに入所している妻の元に、自転車を30分漕いで毎日お見舞いに行く。
時には朝から掛かりつけの病院で自分が診察を受け、その足でホームに行く。
昼前には到着し、妻が昼食を摂るのを見届けて、午後2時過ぎにホームを出る。自分の昼食は家に着いた午後3時前。
一年前に私が知り合った時、その人はそんな生活をもう何年も繰り返していた。
半年前、狭い路地を自転車で走っていて障害物を避けようとしたその人は、手元が狂って転倒しあばらを折った。
医師からは入院を勧