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オスグッド病の息子と心が不穏なパパの話

今日はある日サッカーをしている時突然の膝の痛みに襲われ歩くこともままならなくなった長男サボと、イライラが隠しきれないパパのお話。

サボ…今小学校5年生。パパがやってほしいからと年長さんからサッカーを始めた。のほほんとした性格だし、目に見えるような競争心も積極性もない、それでもパパのしごきを泣きながらやったり、なんだかんだ頑張って続けている間にどうやらチームの中では結構頼りにされるディフェンダーになっている。

パパ…根っからのサッカー大好きパパ、小学生の時から大人になった今でもサッカーがやりたくてやりたくてやりたくてしょうがない人。息子には押し付けない、期待しない、怒らない、自分とはちがうといつも言い聞かせながらも、沸点が低いから結局息子のサッカーを見ながらすぐにイライラ怒ってしまうパパなのです。

サボは週4日のチーム活動以外に、6年生になるとジュニアユースのセレクションが始まるから今が頑張り時!休んでる暇なんてない!なんてパパにいつもプレッシャーをかけられて、週2回のスクール活動、朝は5時に起きて毎朝3キロ走って、1週間のうちでサッカーがなくて休める日は1日だけだった。

パパはサボにはサッカーが好きで好きでしょうがない、いつもサッカーのことで頭がいっぱいで、家の中でもサッカーボールを触ってないと落ち着かないくらいになってほしいみたいだけど、サボはそういうタイプではない。

とはいってもサッカーは好きで楽しんでやっていて、上達していくサボをみていると、なんだかんだパパの期待はどんどん大きくなり、倍率30倍なんていう地元のJチームのスクールのセレクションを受けさせることにした。

そんなセレクションの1ヶ月くらい前、他県の強豪チームとの練習試合のとき、ママから見ても今日はいつも以上にハードにやってるしすごいなーいい動きだなーと思って見ていたら、最後の試合中、急に膝を痛がって動けなくなってしまった。

今まで何度か足首の捻挫を繰り返してるから、それかと思ったら今回はどうも違う、膝が痛くてしょうがない。そして次の日の朝になったらますます痛くなってまともに歩けなくなってしまった。

ほぼ毎日やっていたサッカーにサボは行けなくなり、パパにとっても急に息子のサッカーのない日々が始まった。

診断はオスグッド病。ママはお医者さんだけど整形外科には詳しくないから、病名を聞いても学生時代にお勉強したな、、程度。
調べてみるとスポーツをやる成長期の子供に起きやすくて、骨の成長と比べて、筋肉、腱の成長が追いつかないというアンバランスさから、過度な運動が負荷になって太ももの筋肉がくっついている膝下の部分が引っ張られて炎症を起こすというメカニズムらしい。
休めば一時的に良くなるけど、また運動すれば悪化するを繰り返すもののよう。

とりあえず近所のスポーツ整骨院へいくと、炎症があるから2週間休んで痛みが取れたらまた普通にやれる、ストレッチをしっかりやることと言われ、しばらく安静にすごすことにした。

言われた通り2週間言われたストレッチをやりながら大人しく休んだので、まだ痛みは残ってるけど、一度軽く練習に行ったらまた翌日痛くて痛くて全く動けなくなってしまった。
再度整骨院にいくと、痛みがあるうちは絶対やっちゃダメ、3週間休んでと言われてしまった。

チーン、、と落ち込むサボとパパ。いや、パパは完全にイライラし始めている。

ストレッチが大事と言われてるのに、身体が硬すぎてストレッチがとにかく苦痛で、言われないとやらないけど一応言われたことはやっているつもりのサボ。

早く治したいんだったら言われなくてもストレッチするだろう、何でやらないんだろう、治す気ないのか?サッカーやりたくないのか?とイライラするパパ。

その2人を見ててため息が出るママ。

ママとしては、早くこの我が家の不穏な状態から脱出したくて、ネットで『オスグッド、早く治す』で検索。

色々見ているうちに、オスグッド1-3回で治すという整形外科を発見、言葉に惹かれて自費の施術へ行ってみると、確かにその場で曲がらなかった膝が曲がるようになったり、痛くない歩き方というのを教えてもらうことができた。
でも、結局根本的に普段の姿勢や歩き方を治すしかなく、すぐに治るなんてそんな上手い話はないことが分かった。

問題はこのあと。

担当してくれた理学療法士さんから、これくらいなら痛みを我慢してやっている子はいっぱいいる。やらなかったらむしろ筋肉や体力が落ちてしまうと言われた。

この言葉がパパに火をつけた。

やっぱり頑張る子は痛くても無理してやってるんだ。サボは根性がないんだとパパは練習を痛いからと休みたがるサボにさらにあからさまにイライラするようになった。
ちょっと反抗期のサボもパパのその態度にイライラ。

少しでも膝と家庭の不穏な空気が良くなればいいと思って連れて行ったママはガッカリ。

1日1日何も状況は変わらずすぎていく日々、近づいてくるセレクション。
どんどん不穏になっていく家の中。

チームの練習の日にも、行くつもりで準備していてもいざ行く時間になると仕事中のママに電話が。
『行こうと思って準備してたら階段で転んで足が痛い』
『行こうと思ってたらなんだかお腹が痛い』
『行こうと思ってるんだけど何か気持ち悪い』

毎回そんな連絡が来ると、さすがのママも言い訳でしょ、サッカーやりたくなくなっちゃったの?と心配になってくる。

そしてサッカーに行かないサボを見てるとイライラするからとパパはサボが家にいても部屋にこもって顔を合わせず全く話もしない状態になった。

さて、この状況どうするか、、

そこでママの得意技、『サボ傾聴』を発動させた。
しばらく何も言わずに放っておく、気持ちが落ち着いたかなというタイミングでサボに声をかける。基本的にはママの意見は言わず気持ちを聞くだけ。
そうするとこういう時閉ざしがちなサボはボソボソ喋り出す。

サボはとにかく膝が痛い。捻挫の時は痛くても頑張れば動けたけど、とてもじゃないけど今は動けないくらい痛い。自分の得意な体を張ったプレーは今の状態じゃ出来ない。強い相手とやるには全力以上出さないといけないのに、これでは絶対無理。練習に出ればやりたくなって動いてしまってまた痛くなってしまう。痛いのが嫌だ、コーチに痛いか聞かれて痛いと答えると動いちゃダメだと言われる。結局行っても練習はやれない。だから行きたくない。はやく痛みがなくなって試合に出たい。でもパパには痛くても頑張れと言われるから、練習行きたくないと言ったら怒られると思うからいつも言い訳を考えている。とのこと。

聞いたら本当に単純、痛いから今はやりたくない、我慢しながらはやりたくない。痛みがとれたらやりたい。

これだけのことなのに、親が勝手にやる気がないのか、サッカーが好きじゃなくなったのか、好きだったらやるはず、やめたいのか、このままじゃまわりと差がついてしまうと焦ってイライラしてるだけだったんだよね。

イライラが止まらないパパにママがこれを伝えると、言ってくれないと分からないよ、おれにはそんなに辛抱強く話は聞けない。サボにとって、ママがママで本当によかったねと受け取ってくれた。

パパのいいところは、沸点は低くてイライラしがちだけど、自分の意見が絶対正解って思わず、サッカーに感して素人のママの意見も、なるほど、確かにねって受け止めてくれるところだなと思った。

サボはママに話をしてから、パパから責められる事がなくなったので、気持ちが落ち着いて毎日嫌いなストレッチや体幹トレーニングを続けるようになって、柔軟性も少しずつあがってきて、復帰に向けて焦らず頑張っています。

うん、いい方向に向かってる。

あ、セレクションはキャンセルして残念だったけど、キャンセルしたら1番パパがスッキリしてたな笑



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