四季、あるいは地獄の季節(短歌17首)
カラコンが薄くて思い出せなかった 僕達はいつも過去を見ている
悉無則 ヒトの思考はどこまでもイレクトゥリック この歌もそう
逆張りすぎて生に抗い殆どを辞めてしまったオタクの末路
喪失を折り畳む夜に見る映画 違法アップロードの新海誠
超越的/超越論的 𩹉の天国行きの翼を千切って
泡沫のアリア満ちたる綾波に溺れる僕を 上書き保存
クルアーン、どこか愛しいその響き 今世紀には螺旋を砕く
溺れた時に見える蛍火、それに似た光が好きだ それじゃないけど
シェービング・クリーム 海の剃刀は輪郭をもち、もちと濡らした
リバタリアン・フォース 上書き保存されてゆく MAKE AMERICA GREAT AGAIN!
液体になったアナタを掬いとる 痕跡器官ですらもう無い
舞い踊る時ってあるの本当に そして誰もいなくなった時
優しさを上手く表現できぬとき心をこめて破壊光線
エモいとは恋や煙草は場違いで例えば受験勉強などが
サイダーに沈むビー玉 ぼくたちのぼやけた過去はそれに似ている
べろちゅーを毎日しないと精神を病んで火星の砂になりそう
自転車で夏のトンネル通り過ぎ秋を飛ばして冬が眩しい
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