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52. さんぽB


突き当りに到着。
お氣に入りのベンチはいずれも使用中。
釣り人の邪魔になるのもイヤなので立ち止まらずに水鳥の居そうな場所に‥
あら‥ 誰もいない‥と思った所で向こう岸の茂みから団体様の声が。
これまで度々アオサギとシロサギがいがみ合ってるのは見かけたけど、どちらの声とも違う‥と考え始めたところで鵜のイメージが差しこまれたから 多分 、鵜なんだろう。
スマホの望遠じゃどうにも確認できないから向こう側に渡って確かめようかと橋に向かったところでカルガモご一行様がいた。
近所のおじさんが3時になるとパンをあげているのは知っていたけど、こんなに群れってるのを見たことがない。「きゃゎぃぃ‥」と 思わず声が出る。

内心、はしゃいじゃってるものの、オーラ全開にすると即逃げされるから抑え氣味で近づいたらパンを持っているか否かを一瞬で見極めたらしい彼ら、「ぁ、手ぶらや。近づかんとこ。」と土手を降りて行ってしまったが、最後の二羽は、もと居た方向に戻っていくので目で追っていたら、なんとぅ!  もう一つの群れがそこにいてカルガモフィーバーにニタニタしている初老の前をエッチラオッチラ歩く足音の可愛さがこれまたタマンヌェェ‥ 。
そのまま土手に降りていくのかと思いきや、何かを聞き取っているかのように全員が同じ方向をジッと見つめてフリーズしているのがフォーメーションめいてて思わずパチリ。 近ッ💗

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カルガモは、スルーされがちな地味な翼の下に一点集中のこだわりとでも言いたげな美しいブルーないし、ターコイズグリーンの羽がチラリズムの美学的に配置されてる所が好きだ。
シリウスブルーの子もいれば、ターコイズな子もいるけど性別の違いというわけではなさそうなので光りの加減でそう見えるのかもしれない。

この一帯では野鳥のみならず、お外猫の面倒を見ている人たちもいて、カルガモの群れがいた土手の下には世話人と思しき女性の後を追っている猫さんがいた。
橋を渡って先程の声の主を確かめてみることにした。

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鵜!大正解☆
立派なコロニーだ。
ワレがワレがのアオサギが見当たらないのは何故なのだろう‥?
ここまで来たらと、更に先に進んで公園を目指す。
条件が揃えば、ビルとビルの隙間から富士山が見えるスポットがあるのだ
けれど‥‥ モヤっててシルエットすら見えずザンネーン。

来るたびに雰囲氣が悪くなっている氣がする公園を出て来た道を戻ると
土手の下に猫さんがまだいたから写真を撮らせてもらおうかと腰を落として
「こんにちは。」と声をかけたら「ニャぁー」と言いながらこちらに向かってくる。

ぇ・・ 知らないオバサンなのに来ちゃうの?(笑)

地域で面倒を見てもらっているだけあってためらいもなくスリ寄ってきては
尻尾を巻きつけつつ、一周し終えて撫で撫での催促。(笑)
軽くグリーンのエネルギーを放出しながら頭から尻尾までフェザータッチで撫でるとモキュゥ~ンとオシリを高くして尻尾ピーンからの「ニャぁー♪」
「ぁ、わかった? 受け取ってくれたんだね?ありがとう。」
繰り返し撫でていると「この感触、久しぶりだね‥‥」と右手が呟いた。

ぁぁ、本当に。

彼らの存在を忘れていたわけではないけど、猫や犬と暮らしたかつての日常の五感を一氣に思い出して恋しかったり寂しかったり。
楽しかったことと同じくらい寂しさも永遠なのだよね。
最後の子が旅立った時、何かが統合されてコンプリートしたと感じたから
よほどのことが無い限り、もう動物と暮らすことは無いことはないし、暮らしたいとも思わないけど、三途の川があるのだとしたら、その時には、彼らの迎えを心底望む初老なのである。

  

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