#7 復活への道

しばらくはどん底だった。
布団から出れず、一日中ケータイと睨めっこしてるか寝てるかのどっちかだった。
でも、そんな日々も永遠ではなかった。

まず、無理言って一人暮らしをはじめた。コンビニの目の前の、古い3階建ての大きなアパート。自分以外誰もいない、物を動かされない、自分の好きなように飾れる、そんな空間に心から快適さを見出して、好きなように生きた。1Kの小さなお部屋。

そして、「人に頼ること」を覚えた私は、頻繁に誰かと連絡を取るようになった。仲の良かった先輩、小学校の友達、クラスの違う友達、みんな会って話をしっかり聞いてくれた。最高の人たちと良い関係を築き上げてくれた過去の私、本当にありがとう。

「一緒に生きよう」

そう言ってくれた先輩の言葉が、いちばん心に響いた。

もちろん、保健室の先生、担任の先生、仲良しな先生には学校内でたくさん話を聞いてもらった。
自分がなぜこんなに苦しいのか様々な人に話すことで思考が言語化され、自分はどうなりたいか、今やるべきことは何なのか、自然と目の前に道があらわれた。

「生きているだけで100点」

そう考えるようにして、頑張らない生活を続けた。いかに最小限の力で生きるか。努力せずに結果を得るか。今までの「常に全力を尽くして最高の成果を生み出す」私と正反対の生き方を始めた。

「なるようになる」

生きて、無駄に高い目標を掲げずそれとなく頑張って、人並みな努力をした。

夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬が過ぎた。
共通テスト、私大入試、面接、卒なくこなし、

遂に春がやってきた。第一志望に合格!!

2022/2/27

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