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90年代の隠れていない名盤、その61(Portishead)

淡々とした更新が続き、現在61回目を迎えた当コーナー。今回は英ブリストル出身のPortisheadのアルバム『Dummy』を取り上げます。それではレビューに移ります。

英ブリストルでベス・ギボンズとジェフ・バーロウにより結成され、遅れてギタリストのエイドリアン・アトリーが加わったPortisheadが94年にリリースした、1stアルバム『Dummy』。1曲目『Mysterons』の打ち込みによる幽玄なトラックをバックに、妖しく歌い上げるベスのヴォーカルを聴くだけで、このユニットが只者では無い事が分かる。2曲目『Sour Times』は印象的なイントロから、ベスが歌い上げる映画のサントラの様な、不思議なナンバーだ。3曲目の『Strangers』はダビーなイントロから霧の中で歌う様なベスの声が聴こえ、ダビーなリズムとベスの歌声が化学反応しているかの様な強力な一曲。4曲目『It Could Be Sweet』はPortisheadにしては大人しめの小曲だ。5曲目『Wandering Star』は暗く重いダビーな反復音から始まりベスの歌声が重なるナンバー。6曲目『It's a Fire』は広がりのあるシンセが流れ、ベスが歌い出し、シンセが、更に大きく広がって行く、Portisheadにしては開放的なナンバーだ。7曲目『Numb』は不気味な印象のストレンジなナンバー。8曲目『Roads』はダビーで震える様な音響で始まる、打ち込みのドラムが入り、ベスがやや情熱的に歌い上げるナンバー。9曲目『Pedestal』は、引きずる様な打ち込みのドラムで始まり、エコーの掛かったベスの歌声が始まるナンバー。10曲目『Biscuit』はダビーでダークなイントロからベスの漂う様な危なげな歌声が入るナンバーだ。ラスト・ナンバーである11曲目『Glory Box』はダビーなトラックにノイズ・ギターが入り廃墟で演奏された様な不思議なナンバーである。ベスの歌うテンポがやや情熱的なのは気のせいだろうか。そして漂う様にこのアルバムも終わって行く。浮遊感たっぷりのバック・トラックにベスの気怠い歌声が乗る、この音楽はセンセーショナルな存在であった。ブリストルが生み出した忘れる事の出来ないユニット、それがPortisheadだ。今でも聴くべき色褪せない、傑作である。

以上Portisheadのアルバム『Dummy』の紹介でした。次回取り上げるアーティストは未定です。よろしくお願いします!

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