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90年代の隠れていない名盤、その67(Oval)

遂に70回目が見えて来た当コーナー。
今回はドイツの音響ユニットOvalのアルバム『94 Diskont』を取り上げます。それでは早速レビューに移らせて頂きます。

ドイツの、マーカス・ポップ率いるOvalが、96年にMille Plateauxよりリリースしたアルバム『94 Diskont』。ひたすら同じフレーズを反復する約24分の大作『Do While』で幕を開けるこのアルバム。『Do While』は淡々と反復を続け、アナログの感触が強いノイズ、電子音楽が、徐々に塗れて行く。曲の中頃で反復が終わるが、また始まる。長い、長いが、この長さを『Do While』は必要としていたと思う。この曲を聴いていると母親の体内に胎児としているのでは、ないかと言う錯覚を覚える。2曲目の『Store Check』はLP再生時に出るノイズ等を巧みに扱ったミニマル・ノイズ、音響だ。3曲目の『Line Extension』はアナログ・シンセ、持続音を用いた即興っぽいナンバー。何故か優しい浮遊感を感じるナンバーだ。4曲目『Cross Selling』は浮遊感も一杯だが、スリリングな緊張感も伴ったナンバー。5曲目『Commerce Server』は浮遊感を伴った、落ち着いたナンバー。6曲目『Shop in Store』はアナログ・シンセによる反復するフレーズから始まる、浮遊感と緊張感が入り乱れるナンバー。凝りに凝ったOvalの世界が堪能出来る。
アルバム最後のナンバーになる7曲目の『Do While ⌘X』は1曲目のショート・ナンバーと言った趣きのナンバーだ。
このアルバムは、繰り返すが、自分が胎児になった様な、浮遊感と緊張感に満ちた、電子音楽の傑作である。アナログっぽい質感も最高である。明確なリズムが無いので戸惑う方もいると思うが一聴の価値ありすぎの名盤である。

以上Ovalのアルバム『94 Diskont』でした。次回取り上げるアーティストは未定です。
よろしくお願いします!

#90年代
#名盤
#エレクトロニカ
#ノイズ
#Oval

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