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90年代の音楽好きが2021年のバンドを聴く、その3(Squid)

本日、日本で公的に発売になった英の期待の新人、Squidのデビュー・アルバム『Bright Green Field』。今回は番外編の「90年代の音楽好きが2021年のバンドを聴く、その3」と題し、このアルバムを取り上げます。それではレビューに移ります。

英の新人バンドSquidが、本年21年にテクノの名門Warpからリリースしたデビュー・アルバム『Bright Green Field』。短いノイズのSEの様な1曲目『Resolution Square』で幕を開ける1曲目。その続きの様な2曲目『G.S.K』はパーカッションの音と男性ヴォーカルのクセのある歌声が印象的な、メタリックでファンキーなナンバーだ。ファンキーと言っても内に向かっている様なサウンドが印象的。続く3曲目の『Narrator』は、2曲目が、よりファンキーになった印象だ。ゲストに女性ヴォーカルを迎え、楽曲に厚みが付いている。曲の後半では展開がカオティックになり、男女ヴォーカル共に曲と共に絶叫する、インパクト大の曲だ。続く4曲目の『Boy Racers』はポップと言っていいリズミックな曲調と、ヴォーカルによる軽快なオープニングが聴ける。曲の中盤からノイズが重なる様に鳴らされ、演奏は再開されずにノイズに埋もれて終わる。5曲目の『Paddling』はクラウト・ロックの様に、同じフレーズが反復され、中盤ではメロディアスな側面も飛び出すポップなナンバーだ。6曲目の『Documentary Filmmaker』は浮遊感のあるバックの演奏をメインに、男性ヴォーカルが、アジテーションの様に歌い上げる不思議な感触のナンバー。続く7曲目の『2010』はリリカルでややダークなギターのフレーズからスタートする、中盤でノイズ・ギターが放たれ、またリリカルなフレーズが聴こえる幻想的なナンバーだ。8曲目の『The Flyover』はサックスが幽玄な音を流す短いナンバー。9曲目の『Peel St』は発信音から楽器の演奏が入って来るスリリングでファンキーなナンバーだ。アルバム中、個人的には最も求心力のあるナンバーでは無いかと思う。
10曲目『Global Groove』は掴み所が無いが、聴き手に音が刺さる、言葉にしづらいナンバーである。11曲目ラストに当たる『Pamphlets』は約8分の長尺ナンバーだ、軽快でスリリングなロック的な演奏は始まる。ドラムとベースは一定のリズムをキープしつつラストまで疾走する、アルバムのラストに相応しい力強いナンバーだ。今日聴いたばかりだが聴くたびに発見がありそうな奥深いアルバムである。勿論傑作である。現在のUKのロックをチェックしている層、また刺激的な音楽を求めている全てのユーザーに聴いて欲しい弩級のデビュー・アルバムだ。

以上Squidのアルバム『Bright Green Field』の紹介でした。次回取り上げるアーティストは未定ですがレギュラー・コーナーに戻る予定です。よろしくお願いします!

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