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ふりかえって、どんな一日にするかは自分で決められるのだ!(後)

よくわからないところのカウンセラーはよくわからないことしか言わない。よだです。今回は、ふりかえって、どんな一日にするかは自分で決められるのだ!(前)の続きです。

マッチングアプリで初対面の杉山くん改め藤木と水族館に来たよだだったが、おや……藤木の様子が……?

水族館を駆け足で一周し終わった後、クラゲの水槽の前に座ったら藤木がふらふらと何処かへ行ったので、私は座ったままアプリで何処行ったの?と連絡しつつ音楽を聴きながら暖色にライトアップされたクラゲとクラゲの水槽の前で写真をとるカップルを見ていた。

時々アプリで連絡が来ていないか確認しつつ、15分ほど経ち、クラゲの水槽向かい側に位置していた魚の水槽前の椅子に移動して、そのことも連絡しつつ、回遊する魚たちを眺めていて、ふとアプリを確認しようとするとエラーになった。

そしてアプリを立ち上げなおすと、藤木のアカウントが、消えた。

マッチングアプリの、大きくなった杉山くんだと思って会ったら大きくなって茶髪に染めた藤木だった男に、水族館で巻かれて逃げられた!?

アプリ上で忽然と藤木が消えたことを理解するのは少し時間がかかった。(ちなみに連絡先を交換しようという話は出ていたけど、私はあった人としか連絡先を交換しないことにしているので、アプリ以外の連絡手段は交換していませんでした)

着ていた白いスウェットの丁度後ろのタグの下あたりにナポリタンかミートソースか……?といったような目立つシミがついていて、鞄持たない主義なのかなんなのか知らないが細身のスキニーパンツの両ポケットに財布とスマホをぎちぎちに詰めているせいでしばしば重力によってずり落ちたズボンを持ち上げていて、メッセージと別人が来たのか?というほど会話ができず、話題をなげても何も広げられず、もうお喋りは苦手なんですか?と聞いてやろうかと思ったほどで、さらに好きだという水族館でも何を楽しんでいるんだかわかんね~藤木に!逃げられた!?

ここまでかなり気を遣ったのに先にブロックされたのめっちゃムカつくんだが???

ここまで整理して私は思った。このまま藤木に巻かれて逃げられた女のままではお家に帰れないと。そして、私が魚の水槽の前に移動して来た時からずっと一人で魚の水槽を見ていた女性に声をかけた。

「おひとりですか?今、私、どうしても人に聞いて欲しい話があって、もしお時間あったら聞いていただきたいのですが……」

ナンパである。お姉さんは最初困惑していたが、水槽の前で藤木の話を一通り聞いてくれ、その後お姉さんとちょっと水族館を回って、ガストでパフェ食べながら私のつまんね~人生の話も聞いてくれた。いいひとに声掛けたなあ。

さらにムカつくことに、この日藤木と合流するまえにカフェで一人で座っているときにナンパされていた。外国の方二人組で、一人は日本語がすこし話せ、もう一人は英語話者のようで、日本語の堪能な方が英語話者の方を指して「アナタ トテモ キレイ!イッテル!」「カワイイ!カワイイ!イッテル!」「ニホンジン?」「ナマエ ハ?」「LINE Ok?」「エイゴ ワカル? ハナセル?」「English onlyネ~」と声を掛けられていたが、待ち合わせ前であるし「じゃぱに~ず おんりー そーりー」とお断りしたのだ。彼らは去り際もThank you beautiful!と感じよく去っていたので好感度が高かった。こっちについていけばよかった笑

そんなわけでこの日は1ナンパ1逃亡(そして私が)1ナンパでトントンという訳だ。ただ、あの時お姉さんをナンパしなかったら絶対クソみたいな日になっていただろうと思う。藤木をぼこぼこに言って世の中には色んな人がいると思えるようになるには時間がかかっていたと思う。知らない人に声をかけることは自分勝手なことだと自覚した上で、行動を起こすことの重要性を感じた。

正直、杉山くんが藤木になっちゃったことへの私の落ち度は着て行った白のワンピースがクリーニングに出したかった関係で着たかったということもあって気合い入りすぎと思われた可能性と思ったより耳にピアスが開いていたこと、年パスで入れなかった特別企画が微妙だったぐらいしか思いつかず、メッセージ上でなかなかうまくいかないのだと聞いていたがテキスト弁慶とモラルの問題だ、おたんこなすと思った。

そして知らん人と会う時、絶対電話しなきゃダメということを学んだ。だいたいいつもするようにしているのだが、何故か今回電話をせずに会う約束をしてしまった。一番大きな敗因である。

とくに私は恥ずべきことをした覚えがないので、彼にとってあの日が友達と笑うネタにできる日ではなく誰にも言えない日であれと願うばかりである。
一度会った人間とは、別れの挨拶をしてから帰ろうね。

そんなこんなで、アプリであった微妙な男に逃げられたけどナンパして消化してその日を取り戻した話でした。

Introduction



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