高校時代、部員1人のフェンシング部に飛び込んだ話 -来週大会?編-


*ぜひ過去の4話ご覧になってからご覧ください!!



青春の記録です。






「うわ、またあいついるじゃん!!」


昨日と同じようにバスケ部の友達がフェンシング部部室の小窓を覗いた

さすがに2日続けて驚かれるのを見ると
居て当然なわけだから「いるよ!!」と思わず突っ込んだ。

友達と帰りの約束を交わし部室の重いドアを開く。


先輩が剣に茶色い硬いスポンジのような物をまた擦り付けている

部室に荷物を降ろし

「先輩それなにやってるんですか!?」

気になったので聞いてみた

「ん?あーこれは錆び取りスポンジ。毎日これで剣の錆びをとらないと錆びで折れちゃうんだよ。うち、部費が少ないから」


道具の手入れのようなことだった。

先輩はカバンから全部活の部費が書かれた紙を渡してきた。


「うちらんとこ見てみな?」

「40000円?!これって安いんすか!?」

「他の同好会のところ見てみ?」

「...50000、60000、え!?」


フェンシング部は他の同好会の半数以上に部費が負けていた。


「先輩!この金額でフェンシングって活動できるんすか!?」

「できないよ、剣も1本1万〜、その他にマスクや手袋、練習試合用の審判機も必要だからね。だから1本でも壊したら終わりなんだよ」


金欠のプレッシャーと戦うことになった


この日からまずみんな部室に集まったら錆び取りスポンジで錆を取るという"生きる為のメニュー"が加わった


1時間ほど錆を取ったあと第2活動場所、廊下へ向かった。


廊下ってなんだよ!!!!!笑

って思うでしょ!?

けどね
フェンシングなんてあまり馴染みもない、この時初めて知ったスポーツだから

『あ、廊下で練習するスポーツなんだ』

って正式な判断が出来なくなってるんだ

貧乏な家庭が
ソーセージを焼肉として食べていたってエピソードを聞いたことあるけど

焼肉を知らなければそれが焼肉なんだ


これが、フェンシングの練習なんだ!!(多少疑っても良かったなと今思った)


なんの迷いもなく廊下へ向かった


廊下へ向かう途中雨で階段ダッシュをしていた野球部の先輩が声をかけてきた

「あれ?フェンシング部部員入ったん!?」

「そうだよ!見てよ!!道具運びも楽チンだよ〜」


早よルール教えろや、ボコボコにしてやるから


昨日と同じ通りマルシェ、ロンペの練習。

基本が大事なのはわかるけど
くそつまらん

竹がマルシェ中に軽く足を滑らした


「気をつけて!廊下は滑りやすいから!!」


いや変えろよ場所!!!!!!!!!


その後は剣を握り、力を抜くと剣先が少し落ちる。そしてまた握り直すと剣先が水平に戻る。

この繰り返しの練習

これも基本練習らしい

これは少しきつい
腕を伸ばしたままの状態で続けるのと
グーパーの繰り返しなので握力がなくなってくる。

今日はこの2つの基本動作を3時間ほど行った。


未だフェンシングのルールすら教えてもらっていない


そこに顧問がやってきた。

顧問は基本来ない。(基本来ないってなんだよ)

僕らは本日の活動をノートに書き記しそれを理科室でお茶飲んで本読んでる顧問に提出して帰る。

これが毎日の流れ。


その顧問が現れた。

「あ、先生!!どうしたんですか!!!?」

いや顧問きて驚く部活ってなんだよ!!!!

「来週の大会について話そうと思って!!」



ん??


来週大会!!??



「あーそうだった!来週大会あるから!」




え!!!?



入部2日の青天の霹靂



大会!!?



あのーーー



ルールは?




その日が金曜だった為、土日休みのこの部活は
このまま大会に臨むのであった。


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