冬だからこそアイス食う

飲んだ帰りに小腹が空いたのでコンビニに寄った。
から揚げ棒と鳥五目の黄金セットを買おうと思ったのだが、夜の1時。太るなぁ〜と思ってしぶしぶ諦め、ふと覗いたアイスコーナーにタピオカミルクティーのアイスがあった。
そんなものは初めて見たし、なんだか腹にたまりそうなのでこれを買った。
味はなかなか良いのだがタピオカとアイス部分の違いが分からない。そりゃそうだ。凍らしたら食感もクソもない。寒い中食いたくもないアイスを食って帰った。それなりに腹は満たされたのでまぁよしとしよう。

アイスを食べる度に思い出す話がある。
高校時代の友達の話なのだが、彼が高校横のコンビニで買い食いをしようとしたところ、同じクラスの可愛い女子と地味な女子の二人組にばったり会った。
その女の子たちから「何か奢って!」とよくある絡み方をされて、二人にアイスを奢ることになったらしい。
二人のうちの可愛い方が気になっていた彼だが、この子だけに買うわけにもいかず、もう一人の子にも好きなのを選んでいいと言った。そうしたら、気になっていた子はガリガリくん、そうでない子は一番高いアイスを選んだそう。よくありそうで意外とないような出来事だ。
彼は「アイツには奢りたくなかったのにそういうところだよな!結局性格出るわ〜」と陽気に語り、いつも話が面白くなかった彼にしては構成がちゃんとしてたので僕も笑ったし強く印象に残っている話である。

今思えば笑っていたのが分からないほど最低な話なのだが、それと同時に地味な女子に共感を覚えるようになった。
彼女の立場からすれば、彼が可愛い女子だけに奢りたい気持ちくらいすぐ分かる。
しかし、可愛い女子は控えめなガリガリくんでさらに好感度を上げるときた。そうなったら一番高いアイスを買うしかないだろう。だって自分もガリガリくんを選んでも両者同じものなら得をするのは結局可愛い女子のほうだ。
ならばこのゲス野郎に天誅を下してやろう。私なりの抵抗だ。モテないならせめて美味いもん食ってやろうじゃねえかというロックな精神。あの時笑ってしまった彼女には謝りたい気持ちでいっぱいである。

一方、友達のゲス野郎は来春からCAになる予定の年上彼女と付き合っている。毎回高い食事を奢ってもらっているらしい。世の中はどうしてこうも世知辛い。

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