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何度も何度もとにかく描く

黒板は何度も消して書き直すことができる。

お取引先さまに伺うと、キラキラする電飾の看板が隅っこのほうに
置かれていたりする。


「これものすごい高くて、やっとこの前ローンが払い終わったんだけれど
邪魔になっちゃって。置くところに困っているんです」
「この看板見ている人、ほとんどいないと思うんだよね。でも買い取りだからどうしようもなくて〜」


このようなお声を、何度耳にしたことか。


ファサードってすごい大事なんだけれど、看板置いたり
テントつけたり、費用もかなりかかる割には案外費用対効果まで
あまり考えていないのかな?と感じてしまうことが本当に多い。
現場を何箇所も何箇所も回っていると、

「あっ!またこのパターンかぁ」って感じなんですよね。

費用もかけている。でも効果がない。
そして、そのまま放置、みたいな。
すごくもったいないな〜ってフツーに感じるんです。

店頭って、見ていないようで実は見られている。
黒板の講座を長年やっていますが、いつもご参加くださった方に

「街を歩いていて、気になった看板や印象に残っている黒板とかありますか?または看板が気になってお店に入ったりしたことありますか?」

と質問するんですけれど、ほとんどのみなさん
「なにも印象に残っていない、覚えていない」
とおしゃいます。
よっぽどのお有名店は別なんですけど。


固定の看板は変えたくても変えられない。
でも、お店や会社は常に変化しているはずなんですよね。

そうは言っても、ファサードを簡単に変えることはできない。
そこで仕事をしてくれるのは
「黒板」なんです。


私は全て黒板はポスカで書いています。
メラミンスポンジで簡単に消せます。
初めは黒板だけ書いてきたのですが、起業下手の頃お取引先様で
美容室の黒板を書いていたところ、オーナーさんに
「入口の自動ドアにポスカで何か季節を感じられる模様とか
描けないですか?」と言われたことがきっかけで、
ウィンドウの演出をポスカですることになった。


そして、初めは季節毎に書き換えていたのですが、
「お客様が楽しみにしていらっしゃるので、もっと頻繁に
書き替えて欲しい」というご要望で、
毎月毎月書き換えるようになった。


すると、スタッフの方も
「とても気分が明るくなるし新鮮な気持ちになる」
とおっしゃってくださるようになったんです。


スタッフのかたの気持ちが、ペン一本で上がるってなんだか良いなぁ〜と
その時は感じたのですが、結果的に相乗効果?なのか
「新規のお客様が増えた」とオーナーさんからも
感想をいただき、やっぱり「変化させる」ことが
とても大切だと確信しました。


そんなわけで、とにかくお店は変化している、動いているという
ことを感じてもらうために、ポスカでひたすら書き替えています。

時間かけて書いているのに、消すのはもったいない

と初めの頃は言われるのですが、消すからいいんです。
消すところからまた始まるから、とお伝えしています。


私の書いたものは「作品」ではないんです。
あくまでも、販売促進ツール。
そのために書いているんです。


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こちらは不動産屋さんですが、書き換えること51回目。
毎月書き替えているんですけれど、ここまで書いても
まだまだこの不動産屋さんの存在を知らない人は沢山います。

少しずつじわじわと知ってもらっているかな、という感覚です。
まだまだ継続していきたいです。



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会社のキャラクターを組み合わせるように書いています。


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こちらはスーパーのエントランスドア。
定休日がありませんから、営業時間内に書くことができません。
ですので、オープン時間前までの短時間で仕上げをしないと
いけない現場。

短時間で書き上がるようなレイアウトと、ボリュームを考えるのが
毎回学びであり、課題です。

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やっと秋仕様になりました。

とにかく現場で書くことが自分の仕事です。
現場だからこそ、やっぱり知れることも多いですし、
マーケティングも現場まわってこそだな、と感じています。

自分の手と足を動かして、人に喜んでもらえるのが
仕事の醍醐味だな、と毎回感じています。

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