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同人誌の装丁覚え書き2018

2018年発行の同人誌の装丁の話。

あとすこし、もういちど

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2018/03/25発行
●表紙
用紙:NPホワイト200kg
印刷:4Cオフセット+特色(VIVA610yellow)
加工:クリアPP加工
●本文
用紙:新ハイバルギーブルーグレー
印刷:墨刷り
●遊び紙
用紙:ポルカライム
印刷:1色刷り(グリーン)

蛍光カラーの特色刷りと、遊び紙印刷をやってみたかった本。
特色もっかいやりたいな~と思ってたときに、日光企画では部数関係なく+3000円(+表紙〆切5日前倒し)でできると知って飛びついたやつ。特色3000円でできるってすごくない!?安い…。
この本のときは、あんまり中身と装丁を関連付けることを考えないで、特色使いてえから使うぜ!みたいな勢いだった。そして表紙にかけられる時間があまりなかった。

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かなり特色面積が広いので、蛍光イエローが目に刺さります。頒布のときめちゃくちゃ目立って良かった。こんなの並んでたらまあ目が行くよね。あとPP加工はスタンダード故に丈夫だし滑らなくて最高。

遊び紙はポルカという少し厚みのある可愛い紙です。実物手に取ってから、遊び紙に使うにはちょっと厚すぎるかもなとも思いました。本文用紙より存在感がありすぎる。
ともあれ見た目はカラフルなチリのようなドットがちりばめられていてとてもファンシー。ライム色が可愛かったので深く考えずライムにして、グリーンのインクでモチーフのデザインを印刷してもらいました。

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メインキャラたちの職業に合わせて、花屋の包装紙とか書店のブックカバーとかを意識したデザインです。かわいいね。

本文は軽くて厚いハイバルギー。40ページの本ですが、手に取った感じ50ページくらいありそうな厚みになりました。本当に超軽いので、搬入搬出頒布がめたくそに楽だった…市販の単行本に使われてる紙にすんごく近いです。良い紙です。

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ブルーグレーにしたのは選んだことがなかったので使ってみよ~くらいのノリでしたが、墨の印刷と相性が良くてお気に入りになりました。日光さんではセット内で選べるので良心的。

印刷会社は日光企画さん。
https://www.nikko-pc.com/
かわいいフェアが多くてチェックするのが楽しいです。

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six nice FACes!

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2018/05/04発行
●基本
B5変形断裁(二度断ち)
●表紙
用紙:偏光ラメペーパー(スター)170kg
印刷:4Cオフセット
加工:メッシュ加工(スター)
●本文
用紙:コミック紙 ホワイト
印刷:色刷り(DIC388)
●遊び紙
用紙:ホログラム遊び紙 スターライト

アイドルパロ本なのでめちゃくちゃ装丁可愛くしたろ!!と思って作った本。
表紙の紙はAXISのオリジナル偏光ラメペーパー。星型のラメが配置されていて、光に当てるとキラキラ光ります。アイドルなのでどれだけまばゆくても構わないのです。紙自体はクロスっぽい質感の紙。ミニッツGAと似ている。

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この辺で嫌な予感はしていたんですが、この紙死ぬほど滑ります!!!ダントツで滑る。まじで。頒布会場でぶちまけたくらい滑る。めちゃめちゃスルスルする。扱いが大変。
売り子に二度と使わないでって言われました(3回目)
でも本当に可愛い紙です…見るとテンションぶちあがります可愛くて。この本のときは星型をチョイスしましたが、ハート型もあります。エッチな本にオススメです。

加工はメッシュ加工。サイトで見たときからいつか絶対やってやると思っていたので、星型模様の紙に星型のメッシュを入れられたのは超よかった。

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メッシュ加工はレーザーの加工なので、紙の裏側にほんのり焦げ跡が付きます。気になる人は注意。

そして見てくださいこの遊び紙。ホログラムのめちゃめちゃド派手な遊び紙です。光に当てるとなんと七色に光ります。なんてアゲアゲな紙なんだ。ミラーボールか。これもAXISのオリジナル紙。

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このパリピな紙が表紙に施した星型のメッシュの隙間から覗いて、あたかも星型メッシュにホロ箔押したみたいになるわけですよ!!!!最高のやつ。

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絶対ホロ箔普通に押したほうが安いんですが、「表紙に穴開いてる!」「穴から七色の光が見える!」「表紙めくったらスゲエ紙が出てくる!」をやりたかったんだよね。
でもこれ、「最高の表紙めくったら自分の顔が遊び紙に映り込んで素に戻りました」って感想もらって笑いました。笑い事ではない。想定してなかったので申し訳なかった。ごめんね。紙は最高なんだよ。
アイドルなので全部星型のキラキラにしました。スター性輝いてる!

本文はスタンダードなコミック紙に、グリーンで色刷り。

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なんでグリーンにしたかというと、正方形断裁の打ち落とし側で作った小冊子が、LINEのトーク画面を模したものだったからなんですね。LINEといえば緑色なので…模してるだけでLINEではないんですけどね。

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LINE風小冊子は調整すんのが漫画描くより大変だったので二度とやりたくね~と思いました。でも可愛くできたので良かった。

この本は色んな意味で頒布が大変でしたけどかなり遊べたので楽しかったです。ただ〆切がハチャメチャに早くなるので要注意です。

わたしはAXISさんで刷ってもらいましたが、全く同じ紙と仕様はおそらくプリントオンさんにもあるし、やってもらえると思います。オンデマのほうが都合が良い方はそちらで。
https://axis-publication.com/
https://www.print-on.jp/doujin/doujin_index.htm

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Good Sleep Talking

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2018/05/05発行
●表紙・本文
用紙:コミック紙ピンク
印刷:墨刷り

この本に関しては装丁とかは特にない。推しカプオンリーにどうしても推しカプの新刊が欲しいと思って作ったシンプルな折本です。
コミック紙ピンクにしたのはなんか雰囲気がピンクな話だったから…w
でも表紙墨刷り、けっこうイイなあと思いました。一色刷りを想定した表紙デザイン、いろいろ遊べそうです。

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印刷会社はプリントウォークさん。
https://www.print-walk.co.jp/
ここは折本のセットがある(紙もけっこう選べる)。カラーとモノクロ両方ある!

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天衣無縫すべからく【鬼編】

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2018/09/17発行
●表紙
用紙:コートカード紙180kg
印刷:4Cオフセット
加工:マットPP・エンボス加工
箔:透明ホログラム箔(リフレックス透明)
●本文
用紙:コミック紙ホワイト
印刷:墨刷り
●遊び紙
用紙:越前和紙 七夕大礼紙 白

2017年に発行した妖怪パロの続編ですね。
この本を発行したときは、AXISさんの「わくわくドキドキセット」を使いました。1回でいいからおまかせっていうのやってみたかったんですよ。
印刷所のチョイスは上記の通りで、まずタイトルにエンボスと箔の加工がしてあります。

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箔+エンボスは自分ではなぜか1回もやったことがなくて、はじめて自分の本でこの仕様を見たんですが、タイトル浮き出てるのカッケー!てなったので真似しようと思いました。
浮き出てるところに箔が貼ってあるの最高のやつだったんだけど、貼ってなくてもいい感じになったと思います。タイトルだけじゃなくて鬼のモチーフまでエンボスしてくれたの良かったな。
透明箔って使いどころがまじで難しくて自分じゃなかなか使えなかったんですが、控えめに主張させるのに良いアイテムですね。なんかこう、箔使う限りは目立たせたくなっちゃうので、「箔つこといてこの程度の主張ってどないやねん!?」てなりがち。でもこういう繊細な演出良いなと思いました。

マットPP加工はたぶん和の雰囲気を汲んで、柔らかいイメージになるようにしてくれたんでしょうね。あと箔映えのためだね。
マットPPもあんまやらないので(特殊紙を使いたがるから)、逆に新鮮でした。

遊び紙はカラフルな紙が織り込んである和紙風の特殊紙。めっちゃかわいい!

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やっぱ和風の雰囲気大事にしてくれたんですね~。3ページ目を黒ベタにしたので、遊び紙の仕様が映えますね。

本文はスタンダードなコミック紙と墨刷り。高精細なのでくっきりはっきりで、ベタも多かったんですがめちゃめちゃ綺麗にのってて最高でした。何気にAXISさんでの墨刷り始めてだったかも。まじで綺麗だな。

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色々な気づきをありがとうアクシス出版さん。
https://axis-publication.com/

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あとすこし、もういちど【WEB再録】

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2018/10/31発行
●表紙
用紙:M特アートポスト111kg
印刷:オンデマンドカラー
加工:クリアPP
●本文
用紙:J紙82g
印刷:オンデマンドモノクロ

この本は、ワンコイン500円で1冊印刷してくれる、MediBangファクトリーというサービスを利用しました。残念なことに2021年現在は印刷サービス自体が無くなってるっぽいですね。
このサービス、ブラウザ上ですごく簡単に面付けまでできたのでめちゃめちゃめちゃめちゃ良かったんですが、なくなったのかあ~残念……作品公開ページがユーザーの注文画面にもなっていて、欲しい本があったら500円+送料で欲しい人ごとに印刷できたりしたんですよ。なので作家は在庫持たなくていいっていう。画期的だったけどなんかダメだったのかな。

印刷自体は普通にオンデマンドの綺麗な印刷で、表紙は用紙が111kgと薄目なのでPPかけるとちょっと反っちゃいますね。でも表紙としては十分でした。

本文はJ紙っていう聞き慣れない紙だったんですが、ようはコピー紙でした。やっぱり薄目なので裏写りがちょっと気になる。でもオンデマ印刷は綺麗でしたねえ。テカるけど。

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なんで無くなっちゃったんだろ。まあユーザーが勝手に印刷できる仕様はなんかまずかったんかな。

このWEB再録は試しに自分用に刷ったので、これ1冊きりでした。その後イベント頒布するためにオフセット印刷したんですが、その本は手元にない。仕様は愚直にスタンダードだったので一応メモ。

●表紙
用紙:アートポスト180kg
印刷:4Cオフセット
加工:クリアPP
●本文
用紙:白上質90kg
印刷:墨刷り

上記仕様の印刷所は丸正インキさん。
https://www.marusho-ink.co.jp/
〆切は早いが爆安で印刷も綺麗です。良い子入稿に自信マンが良く使っている。

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2018年はアイドル本の装丁がピークでした。楽しかった。

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