102、障害者達の才能

知人の1人にダウン症の子供を持った家族がいる。親父と一緒に
ゴルフをした事があって、「普通に育ててる？」のような言葉を
言った。その返事は「家では普通でも周りの見る人が違う」と答えた
のをハッキリと覚えている。その後数年が経ち元気に育っていると
知って嬉しかった。特に知人は夫婦とも明るく、自然なのが良い
経過や結果をもたらしているのだろう。

少し調べてみると障害には様々あり、疾病が26％、事故17％、
加齢4,7%   出生時の損傷4,5%とあり、種類別には肢体不自由が
91％、内部障害が82％、聴覚、言語障害が80％、視覚障害が73％
であり、ダウン症は700人に1人の0,2%となっている。

彼らは絵画、音楽、などに非常な才能があり、ダウン症の金澤翔子
さんは母親が書道家でもあってその才能には目を見張った。
特に京都建仁寺の屏風の風神雷神の書は言葉が出ない。
1202年に建立された建仁寺の俵屋宗達の風神雷神屏風図だが、
金澤さんは本家を凌ぐほどの勢いや筆致を尽くしている。その他
般若信教などニューヨークや他の世界でも個展をされ脚光を浴びた。

彼らの発想や技術はクライアントの指示に関係なく自由に筆やメロディー、
音を響かせる事が出来る。絵画を指して言えば、色は多彩で線は奔放
形も見た事がないようなフォームを持っている。家の周りにある花は
住む家よりも大きく、人もペットより小さく、色鮮やかに描かれる。
子供の絵も同じでピカソは「子供は天才だ、私には描けない」と
言っている。大人の偏った常識が物の見方を狭める理由だ。

それら素晴らしい絵画や音楽を広めサポートするのも大切だ。

ただ私が言いたいのは特にFBを見るとクリエイターやデザイナーの
サポートは立派なのだが、常に自分の顔を前面に出し、私が障害者
をヘルプした、私がサポートをしたと完全に自分あっての障害者に
見えるのが嫌味になる。前面に出す顔がイケメンで好感度を持つの
なら多少は許せるが、嫌悪感の方が強く感じて全く逆なのである。

メージャーリーグ野球の大谷について書くと彼は見えない所で寄付や
病院の子供達へのお見舞いやサポートをしているのが嬉しい。
やはり元メージャーリーグのパイレーツのプエルトリコの選手で
ロベルト・クレメンテは貧しいラテンアメリカの人達やハリケーンで
被害に遭った家族、子供達に援助をする事で有名だったが、その
サポートをする為に航空事故で1972年に38歳の若さで亡くなって
しまった。

彼のサポート姿はカメラやフィルムが回っている時は絶対に何も
せず、自分は陰のヘルパーだと言い切っていた。それは自然に広まり、
若い選手達も現在に至るまで多く見習っている。

NYで良く見た日本のテレビ番組は「プロジェクトX 」で、数十年の
研究と失敗を重ね、自分の名前は出ずに成功するストーリーが
素晴らしかった。「謳われない英雄」Unsang heros と言われるが
私の好きな言葉である。

スポーツやビジネス、芸能界で成功した人達はアメリカの金額は日本の
数十倍であり、税金に悩むのは日米同じだが、その桁が違う。
現在カリフォルニアのスタンフォード大学の近くのシリコンバレーでは
若い億万長者が多く、IT関係のソフトウエアなどで億を稼いでいる。
彼らは近くのサンフランシスコの家屋やマンションを買い、それまで
住んでいた住民をホームレスとしてしまい、物価や家屋の価格は高騰し
温暖なシスコは大勢のホームレスを増やす原因になった。

アメリカの長者達は税金控除の為に寄付をしたり自分名義の基金を
作って逃れている。私が住んでいたコネチカット州は以前州民税がなく
そういう文化人が大勢いたが、今は州民税がある。

タイガーウッズはこの街で見かけられたり、トムクルーズ、メルギブソン、
ジョージCスコット、ダイアナロス、監督のロンハワードなど何番目かの
別荘を持っているのだろう、よくスーパーで見かける事があった。
タイガーは7人もの専属経理士がいるとか、全て税金控除の為であろう。

アメリカの舞台関係も切符からの収入は30％ほどでほとんど寄付で興行
されている。がブロードウエイの場合は異なるであろう。故に私はオフ・
ブロードウエイの方が好きである。「ブルーマン」などは最たる芝居だ。

少し話が横道に逸れたが、有名になりたい気持ちやお金持ちになりたい
事も理解する、しかし中には「Unsang heros」が少しでもいて欲しい。

終。