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ステージマネージャーさんとの関係

NewsPicks への投稿を転載します。

仕事であちこちのホールに出かけると、ステージマネージャー(以下、ステマネ)さんも十人十色。どのホール、どのオーケストラにもある程度通ずる “ルール” があるが、ステマネさんそれぞれに “独自ルール” が存在する。

私も仕事だから、ステージ上にマイクロフォン(スタンド)を置かなくてはならないしマイクケーブルも這わせる。しかし、このケーブルが指揮者の動線を横切ろうものなら、ステマネさんからこっ酷く叱られる。マイクスタンドは目の敵にされていて、ヴァイオリンの弓があたるとか、指揮棒があたるとか、視界に入って邪魔(笑)とか、散々な言われようだ……このあたりの匙加減がステマネさんによって異なっていてるので、“クセ” を熟知することがいい仕事に繋がる――オーケストラの邪魔にならぬよう、しかしながら理想の位置にマイクロフォンを置かねばならない。

まるで敵視しているかのような書きようだが、決してそんなことはない。ステマネさんを筆頭にステージスタッフは本当に有り難い存在で、オーケストラがストレス無く演奏できるよう全力を注いでくださる。わずかな段差を解消したり、このコロナ禍においては椅子をすべて消毒したり、譜面台に “マスク掛け” を取り付けたり――いつもクルクルと動き回っている。私は録音を終えると歩数計が8千〜1万歩をしめすが、彼らは2万歩くらい歩いているのではないだろうか――とにかく、ステマネさんが演奏に大きく寄与していることは間違いない。

「日本のステマネの祖」とされるのが宮崎隆男さんで、著書『「マエストロ、時間です」~サントリーホール ステージマネージャー物語~ 』もあるので、ご興味のある方は是非。


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