「撮影」と「録音」

どうして「撮像」じゃなくて、「撮影」なんだろうって思いません?

「撮像管」とか「撮像素子」とか、「撮像」という言葉が使われていないわけじゃないけれど、どちらかといえば「撮影」が一般的ですよね。

影があって、像が成り立つ。

……ひょっとするとネガ/ポジの意味で、

影を撮って(ネガ)、現像する(ポジ)

という意味で、「撮影」なのかも知れません。少し歴史を紐解いてみたのですが、本当のところはよくわかりませんでした。

それはさておき、影がないと陰影の表現などできないし、奥行きを感じないノッペリとした見た目になってしまいます……では、「音」においてはどうでしょう?

「音の影」って、あるんでしょうか?

私はこれ、「反射音」だと思うんです。


まず、楽器や声帯などから音が出ます。これが “直接音” 。

その直接音が、

近くの壁や床などに反射してから聞こえてくるのが “反射音”。

(一次反射、二次反射などありますが、ここでは省略します)

直接音ばかりをクリアに録っていると、奥行きを感じない音になります。

(そういう音が必要な場面も多くありますが)

直接音と反射音をいい塩梅の配分で捉えると、陰影のある音になります。モノ(モノラル)でも、奥行きやひろがりを感じられたりします。

もし、ミックスで思うような結果がでなければ、

「音の影も録る」ことを意識すると、うまくいくかも知れません。

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