メタモルフォーゼの記憶
ランドセルを背負った4、5人の男の子が、歩道いっぱいに広がりながら歩いてきた。誰ひとりとして前方の私には気がついていない。
大きく迂回して彼らを避けたすれ違いざま、1人が「蝶をさなぎから羽化させたことがある」というエピソードを自慢げに話していたのが聞こえた。
蝶のさなぎの中は液体で満たされている。さなぎになるとからだがほとんど溶けてしまって、あおむしの原形はなくなってしまうらしい。
さなぎの中で一度液体になった幼いからだは、時間をかけて成虫へと変態する。
さなぎの仕組みに