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一度ゼロになったからこそ、チャレンジを支え合える。ふくしま12市町村の魅力とは? #ダレハナ 「誰かに話したくなる にっぽんのはなし」

TOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。-誰かに話したくなる にっぽんのはなし」

このコーナーでは、よんなな会発起人の脇雅昭が「ダレハナ自治体コンシェルジュ」としてレギュラー出演。地方のキーマンから、日本全国、地方自治体の魅力を伺います。

1月12日の放送は、ふくしま12市町村移住支援センターの提供で、ゲストに一般社団法人オムスビの森山貴士さんをお迎えしてお届けしました。

ふくしま12市町村とは、東日本大震災の影響により発生した、福島第一原子力発電所の事故により、避難指示等の対象となった田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯館村を指します。一度は誰も住めなくなった場所で、新しく生まれ変わり、移住者にもたくさん来てもらいたいと考えて、地域全体で取り組んでいます。

2月11日にも移住者向けのイベントを開催します。

ゲストの森山さんも、移住者です。東京でソフトウェアメーカーに勤めた後、2014年に南相馬市に移住しました。南相馬市など、ふくしま12市町村の移住先としての魅力はどこにあるのか。お話を聞きました。

●森山さんプロフィール
一般社団法人オムスビ 代表理事。ソフトウェアエンジニア。1986年大阪府生まれ。立命館大学政策科学部卒業。2009年より東京のIT企業でソフトウェア開発、先端技術研究などに携わる。2014年に退職し、福島県南相馬市に移住。当時まだ避難区域だった小高区の可能性に惹かれ、同区内で活動を開始。2016年末、仲間とともにキッチンカーでOdaka Micro Stand Bar(OMSB)を開業。2017 年4月に一般社団法人オムスビを創業。現在は、店舗化したOMSBのカフェ事業をベースに、ITを軸とした地域課題解決で持続可能なまちづくりを目指す。

チャレンジを支え合える地域

南相馬市・小高区で人材育成と地域の課題解決に取り組む森山さん。どんなきっかけで移住したのでしょうか。

前職で働いている時に、若いうちから地域や社会の課題解決に取り組む経験を社会の中に作っていけないかと思うようになり、会社をやめたという経緯があります。そういった中で、せっかくだったら美味しいご飯が食べられるところに行きたいと思い、地方で何かできないか考えていました。ちょうどそのときに友人が宮城県・石巻市に行く用事があり、一緒についていったことが縁で、南相馬市・小高区で活動することになりました。

小高区の魅力は「ゼロからチャレンジしやすいこと」だといいます。

私が活動している小高区という場所は、一度避難指示が出て解除された場所で、人が少ない状況にはなっています。逆に言うと、そういう状況だからこそ、ゼロから新しいチャレンジができるということで、若い人を中心にいろいろな人が集まってきています。それに加えて、元々ある助け合いや自助互助で地域を作っていこうという地元の方の文化も混ざって、チャレンジがすごくしやすいまちになっているのが、一番の魅力かと思います。

森山さん自身、失敗しながらも周りの人に支えられてチャレンジを続けてきました。

私もいろいろと“やらかしてしまったこと”もあるのですが、きついことは言われませんでした。失敗しても、ちゃんと見守ってあげようという目線で、いろいろな人が支えてくれます、その環境でチャレンジできるので、本当にありがたいと感じています。

何も知らない状況で地域で活動を始め、最初はなかなか仕事も見つからず、一時期は貯金もそこを尽きかけたこともある森山さん。周囲の人からの応援もあり、今では地域の人たちが集まるコミュニティスペースやカフェを運営しています。自分自身が応援してもらったからこそ、それを新しく来る人たちに届けたいという思いを感じます。

2月11日(土)には、森山さんを始めとして移住者の先輩たちと現地で交流できる「第2回ふくしま12現地体験イベント」も行われます。今回のイベントでは、南相馬市などふくしま12市町村の先輩移住者が集まり、地域の案内や移住者の座談会、ワークショップなどを開催する予定です。現地の先輩移住者の話を聞いたり、地域や食の魅力を体感いただけるので、地域への移住を検討されている方におすすめと紹介いただきました。

最後に、森山さんが今後実現したいことについて伺いました。

現在カフェを運営していますが、もっと地域の人たちに喜んでもらえる場所を作りたいと思っています。直近では、元々お寿司屋さんだった店舗をリノベーションして、今のカフェにプラスアルファでパン屋も合わせた業態の飲食店を営業したいと考えています。パン屋の経験はないのですが、またチャレンジしてきたいです。

今回のキーワードは「チャレンジ」という言葉でした。何かにチャレンジするとき、一人でやるのは大変です。やっぱり、周りで「いいね」と言ってくれて支えてくれる人、一緒に行動してくれる人、ときにはアドバイスをしてくれる人など、仲間がいる場所はとても大事なことです。

今回ご紹介した南相馬市・小高地区などふくしま12市町村には、一緒に支え合いたいという気持ちを持つ地元の人や移住者が集まっているので、チャレンジする土壌があるのかもしれません。

新しい何かにチャレンジしたいと考えている人、移住を考えている人の選択肢の一つとして、ふくしま12市町村を検討してもらえたらと思います。

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