アキの宮島
2016年9月8日の朝
廃車寸前の愛車と私は、宮島サービスエリアに居た。
車を降りて、眠い目をこすりつつ
スターバックスでカフェインを摂取。
その後、散策。
斜面の手前に設置してある柵ギリギリまで行って
厳島神社、どのあたりだろう?
などと思いながらじっと目を凝らした。
兎にも角にも、安芸の宮島まで来たのだ。
始めてしまった以上、引き返すことはできなかった。
否、引き返すことはできたけれど
引き返したくなかったし、さしあたり引き返す理由も無かった。
というか、そもそも
万が一引き返す必要性が生じたところで
実際、戻れるのだろうか?
こんなに遠くまで来てしまった。
それについては、考えないでおこう。
行って、還るのだ。
この先、何が起きるかは分からなかった。
目的地は決まっていたけれど、毎日何をして過ごすかは未定。
何しに行くの?
と尋ねられたら、答えられなかった。
ただただ、一緒に走りたかった。
普段しないことをしてみたかった。
あわよくば、自分自身とちょっぴり仲良くなりたかった。
牡蠣が、美味しかった。
空気も、美味しかった。
私たちは、屋久島に行く途中だった。
9月7日の正午、埼玉県を出発。
足柄、岡崎、御在所、草津、西宮名塩、津山、白鳥、吉備、福山、小谷
などで休憩しつつ辿り着いたのが、ここ。
後日知ったところによれば
距離にして900kmほど。
出発してまだ20時間ほど。
昼夜兼行で来たわりには、ふたりとも元気だった。
900km・・・ビックリした。
「自分が24時間以内に愛車と移動した距離」
なんて記録があるとしたら
今までのを大きく塗り替える自分史上初の快挙だった。
自分自身のこと、もっと凄いと思ってもいいんじゃないかと思えた。
「約束の時間に約束の場所に存在していれば
あとは何をしてもいい」
というルールの下に始めた、行きあたりばっ旅。
今となってはほとんど忘れてしまった。
現存する写真を頼りに、少しずつ書き進める予定。
ひとまずの約束は、フェリーだった。
あるいは、ホテルだったか・・・?
この後、予約したのか、事前に予約したのか
もう、覚えていない。