マガジンのカバー画像

ダークファンタジー小説 奈落の王

30
ダークファンタジーの小説、「奈落の王」のまとめ記事です。
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

(一次小説 ・ ダークファンタジー )奈落の王 その十八話 初陣

殲滅した、はずだった。 妖魔、ゴブリンどもが煙玉を使う。 ──逃げる気だ! ロランは直感…

燈夜(燈耶)
9か月前
2

(一次小説 ・ ダークファンタジー )奈落の王 その十七 深き森の砦。照葉樹林も深…

木々が密集している。 昼間でもなお、暗い森。 森が動く。 道の悪さのためでなく、明らかに森…

燈夜(燈耶)
9か月前

(一次小説 ・ ダークファンタジー )奈落の王 その十六 兵站こそ戦の生命線。主計…

馬車がギリギリ通れるほどの道なき道。 土は剥き出し、しかも岩の合間に木々の根が伸びていて…

燈夜(燈耶)
10か月前

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十五 銀仮面卿の初仕事

そして次の日の朝。 ロランの部屋にハルフレッドがやってきて、言うのだ。 そう、何度も言う…

燈夜(燈耶)
10か月前
1

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十四 伯爵公子閣下の望み

 ハルフレッドのテンションはまだまだ上がる。 ロランはそんな彼……実質的な主人の……姿と…

燈夜(燈耶)
10か月前

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十三 銀仮面卿と伯爵公子閣下の密談

 石造りの部屋。『銀仮面卿』ことロランにあてがわれた一室だ。 今ここに、影ではなく表、つ…

燈夜(燈耶)
10か月前
1

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十二 居場所の代償

アリアはお日様の光を手を上げて防ぐ。 城内から出て城の中央、庭に向かっているのだ。 そう。 今、黒のメイド服姿の少女、アリアは中庭に出ていた。 彼女は知っている。 彼女アリアの兄、ロランがことあるごとに老騎士ライルに剣──いや、戦闘術か──稽古をつけてもらっていることを。 アリアはそんな兄ロランに用があった。 それは今アリアが手に持って、大切に抱えている一包みの荷物。 ハルフレッドから兄のロランに渡してほしいというものがあると言われ、アリアはそれ私に中庭に出ていたのだ。

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十一 小僧が変身するとき

芝生に覆われえた中庭。 そこでは雄叫びや剣劇の音が聞こえてくる。 そう、今まさに男が二人…

燈夜(燈耶)
10か月前
1

(ダークファンタジー) 奈落の王   その十 人間の価値

石造りの広い部屋である。 窓にも蔦の緑が這っている。 そこからは緑の香りのする涼しげな風が…

燈夜(燈耶)
10か月前
3

(ダークファンタジー) 奈落の王   その九 それぞれの学び。それはまるで別世界

アリアは膨大な木製の食器を前に、頭を抱えていた。 洗うには水がいる。 でも水は井戸から汲ま…

燈夜(燈耶)
10か月前
1

(ダークファンタジー) 奈落の王   その八 辺境伯の城

兄妹が貴族ハルフレッドに導かれ、彼の城塞で暮らし始めて三日がたつ。 ロランの妹、アリアは…

燈夜(燈耶)
10か月前
3

(ダークファンタジー)奈落の王 その七 道とは何か。

 騎馬のハルフレッドとライルの主従は時々後ろを振り返り、この仲のよさそうな兄妹の仕草や会…

燈夜(燈耶)
10か月前
2

(ダークファンタジー)奈落の王 その六 転機。神の悪戯

ロラン似の、いや、顔立ちや体格までそっくりの、偉そうに見える若者が口を開く。 そして彼は…

燈夜(燈耶)
10か月前
3

(ダークファンタジー)奈落の王 その五  遭遇。出会いはいつも突然に

心臓が跳ねる。 そして鼻息も荒く。 口が自由であれば、荒々しい息をしていたであろう。 ロランは見た。 目玉が飛び出すほど目を見開いて。 飛び込んできたのは赤。それは命の色。 地面が赤い。 そしてその赤い雫は転々と森の下草に散らばり。 銀色の巨狼の残したものだと、推測する。 そして、その理由。 地面に一本の造りの見事な矢が刺さっている。 判ること。 それは数本の矢が放たれ、一本は外れて地面へ。 そして何本かは巨狼の体に突き刺さったのだろう。 数本の矢が命中したと見える。