(ダークファンタジー) 奈落の王 その十二 居場所の代償
アリアはお日様の光を手を上げて防ぐ。
城内から出て城の中央、庭に向かっているのだ。
そう。
今、黒のメイド服姿の少女、アリアは中庭に出ていた。
彼女は知っている。
彼女アリアの兄、ロランがことあるごとに老騎士ライルに剣──いや、戦闘術か──稽古をつけてもらっていることを。
アリアはそんな兄ロランに用があった。
それは今アリアが手に持って、大切に抱えている一包みの荷物。
ハルフレッドから兄のロランに渡してほしいというものがあると言われ、アリアはそれ私に中庭に出ていたのだ。