【ダンジョン潜り】 (4) ~マジックライト~
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隊列を組んで洞窟をしばらく進むと、ガイオが松明を振りながら注意を促した。足元に歪な階段がある。
階段はしばらく下り、また平らな地面になった。ちょうど地下1階といったところだろう。地面とは言ってもところどころ石床が作られており、明らかに人工の建造物であることがわかる。
洞窟の道は三人が横並びに歩けるほどの幅があり、右に左に迷宮のように折れ曲がっている。ダンジョン内部の淀んだかび臭さと閉塞した空気に私は逡巡した。
しかし徒党の皆は慣れたものだ。道行きも把握していると見え、立ち止まることもなくどんどん奥へ進んで行った。
私は躓かないよう慎重になりながら三人の後について行く。私の後ろ、殿には魔術師のテレトハである。
しばらく無言で我々は歩き続けたが、岩石の廊下が突然途切れ、ホールのような広い空間に出た。松明の光も空間の奥には届かず、ただ虚無的な闇が我々をじっと見つめている。
「光を」
ガイオのその一言に応えて堂々たる長身の神官の男、リドレイが祈りの詠唱を始めた。
短いその詠唱が終わると、まるで朝の日がゆっくりと登るように、部屋の中が徐々に照らされ始めた。
黒い岩肌が、崩れた切り石が、向かい側につづく廊下が、幾つかの古びたドアが、その姿を現し、とうとう部屋は昼のように明るくなった。
「この部屋は彼の術でしばらく発光する。厄介な魔物が出たらいったんここまで下がるのだ」
ガイオは私に解説し、次いで岩壁に並ぶ幾つかのドアに向かって手を振った。
「我々はこのダンジョンの四つの入り口を発見しすでに一通り探索したんだ。さっき入ったこの入り口は五つ目で、あれらのドアの奥はすでに調べ尽くしている。今日はさらに奥を確認して回ろう」
ガイオがまた松明をしっかりと掲げて廊下に踏み入った。ガイオ、リドレイ、そして大きな戦斧を担いだ大柄の女ジョセフィンが並んで盾や得物で壁を作って慎重に進み、私とテレトハはその後ろについて行く。
我々徒党が廊下をそのまま進み、鉄板で補強された大きなドアに行き当たるとジョセフィンが皆に警告した。
「向こうにいる!」
我々は武具を構え直した。
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ガイオ 戦士 ○
ジョセフィン 戦士 ○
リドレイ プリースト ○
ぼるぞい 魔法戦士 ○
テレトハ メイジ ○
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金くれ