【ダンジョン潜り】 (15) ~起動!昇降台~
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「はてさて。はたして動くのでしょうか...」
キザシが室内中央、円形に区切られた石床の上をふらふらと歩く。
円形床上にびっしりと彫られた幾何学模様は五方向からの光を吸収するかのように輝き、線の上を脈打つ白い光が走っている。
「ティロム神殿にも似た仕掛けがあった。この昇降台も同じような原理だと思う」
リドレイが床を凝視しながらつぶやき、ややあって、皆を見まわした。
「よし」
リドレイは円形床の真ん中、三重円の彫り込みの上に足を置き、堂々と構えると指示を始めた。
「ジョセフィンはそこの羽根のようなところに立て。ガイオは向かい。大盗賊殿は私の前の、その窪み。あとの二人はそっちの縁の円の上だ。よし、それでいい。行くぞ」
私たちは言われるままに立ち、リドレイは配置を確認すると身をかがめた。
彼の両手がひときわ盛り上がって光る半球の上に添えられた。
リドレイが短い掛け声を唱えると、彼の右手の下の半球に極度に光が集中し、つづいて石床が低く鳴動した。部屋全体が揺れ、よもや崩れるかと思われたので皆の顔に緊張が走った。
鳴動は数度続き、私たちの乗っている円形の昇降台だけが徐々に沈み始めた。周りの床が腰の辺りまで上がり、頭上を越え、どんどんと昇降台は下がってゆく。
昇降台は井戸のような縦穴の壁を舐めながら同じ速度で沈みつづけた。
20メートルくらいであろうか、縦穴を下りると、突如空間に出た。上階と似たような切り石造りの大部屋である。
私たちは素早く周りを警戒したが、魔物や危険などはなさそうであった。
「止まるか?」
リドレイの問いにガイオが答える。
「いや、続けてくれ。どこまで行けるかしばらく試してみよう」
昇降台はそのまま下降を続け、似たような大部屋をさらに二つ過ぎた。
さらにその下の階層に降りた時、床がどんと揺れ、私たちは衝撃に倒れた。昇降台はガリガリと音をたてて動かなくなった。
「おっと、何か噛んだな」
リドレイは光る半球から手を放し、立ち上がった。
「とりあえずここでいいか」
ガイオは頷き、彼の先導で私たちは周りを警戒しつつ昇降台から降りた。台は周りの床から1メートル弱ほど浮き上がった状態で止まっていた。
リドレイがマジックライトを唱え、テレトハが陣を敷き始めた。
徐々に明るくなった室内はひどく汚れており、腐臭が漂っていた。
骸骨が私たちを見た。
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ガイオ 戦士 ○
ジョセフィン 戦士 ○
リドレイ プリースト ○
ぼるぞい 魔法戦士 ○
キザシ 盗賊 ○
テレトハ メイジ ○
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金くれ