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【ダンジョン潜り】 (13) ~仕掛け~

~つづかれる~

 石台の上に灯された "ティラの光" は長い廊下を貫いて中央の大部屋にまで至り、室内を淡く照らしていた(はじめにリドレイの放ったマジックライトはすでに効力を失っていた)。

 先も述べたが私たちが灯りをともした北側の通路に通じるドアの他に、大部屋には同じようなドアが四つある。
 それらも開錠してみると、やはり同じように長い廊下、そして小部屋だ。石台には椀。壁には同じティラの絵。

 「グラーアムの声は "つたの牢獄" と言っていたが...。ここはもともとティラの寺院か何かだろうか」
 ガイオは思案顔だ。

 小部屋はすべて行き止まりであったが、何らかの仕掛けがあるかもしれないということで全ての石台にティラの光を灯してまわった。

 最後の南西側の廊下を進む際、人間の子供ほどもある巨大なコウモリが二匹、バサバサと天井から舞い降りてきた。
 巨大コウモリは腐った黒い豚のような凶悪な顔をしており、それらが羽ばたくたびに鼻の曲がるような悪臭が辺りに漂った。

 私はその醜悪な魔物を前に気が動転し、ファイアボールを撃つどころか身をかばうのにやっとであった。
 しかし徒党の皆は慣れたもので、何事もないような表情で各々の得物を振るってコウモリを追いやった。

 コウモリたちが距離を取って私たちを攻めあぐねている隙に、後ろに控えているテレトハが雄たけびのような短い詠唱を行った。
 パン、パン!という鋭い音が響き、一直線に走った稲妻が皆の黒い影を壁に刻むのが見えた。

 巨大コウモリが一匹、ドサッと床に落ち力尽きた。
 テレトハのサンダーボルトは再度放たれ、二匹目も息絶えた。なんとも鮮やかな手際である。

 全ての石台にティラの光を灯し終え中央の大部屋に戻ると、五方向からの照明を受けて室内は真昼のように明るかった。それだけではない、なんと石床の中央に掘られた幾何学模様の細工が、今や線に沿って鋭い光を発している。

 「これ、これよ。昇降台らしいな。下に降りられるぞ」
 キザシがそう言って光る床を調べ始めた。

 「ひとまず休ませてくれ」
 リドレイは髪をかき上げながら壁に背をあずけて座りこんだ。
 「マナが無い」

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 ガイオ    戦士     ○
 ジョセフィン 戦士     ○
 リドレイ   プリースト  ○
 ぼるぞい   魔法戦士   ○
 キザシ    盗賊     ○
 テレトハ   メイジ    ○

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~つづく~

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金くれ