展覧会に入場料はアリか?


チームラボ「ボーダレス」の
入場者数がギネス記録を更新した


チームラボは
主にマッピングという技術を使って
部屋全体を使った
体験型アートを展開する
アーティストグループだ


この日本初のアーティストグループが
あのゴッホやピカソの美術館を抜いて
世界一の入場者数を記録した

しかもこの「ボーダレス」という
体験型アート施設は
およそ3年前にオープンしたばかりの
新参者だ


これがいかに凄いことか

日本ではちゃんと話題になっているだろうか


さて
アートには大きく分けて二つの市場がある


美術館や博物館などの"観賞・体験型"

もうひとつは

ギャラリーやオークションなどの"購入型"


チームラボは
"観賞・体験型"にあたる


二つの大きな違いは
どこでお金が発生するか


観賞・体験型は「入場料」で
購入型は「作品購入」で

それぞれお金が発生する


価値のあるところに人はお金を払うので

見る・体験する事に価値があるか
買う事に価値があるか

という見方ができる


チームラボは
見る・体験する事に価値があり
買って所有する事には価値をつけていない


これは余談だが噂では
美術館に展示されている作品も
相談次第で購入ができるらしい
(かなりの条件やハードルはあるだろう)


チームラボの体験型アートも
家に設置してくれって言っても
不可能では無いと思う

つまり"観賞型"でも
買う事に価値を付けられる可能性もある



チームラボが他の個人美術館と違うのは
"観賞・体験型"に特化しているという事だ

他の個人美術館は
"有名で高額なアリガタイ作品"
を見る事に価値を付けている


対してチームラボは
"誰もが感動し没入する世界"を作り
目や耳や肌に直接訴えかけている


高額か歴史的価値があるかを飛び越えて
多くの人の感覚に直接訴えかけている

この仕組みで世界一になった事が
えげつない事だと熱く訴えたい


作品を作っている人は
見る人に何か伝われば
感動してもらえれば
という思いで作品を作っている人が
大半ではないだろうか


その理想の形を
チームラボは世界一の人数に伝えた
夢を現実にしたグループだということ



さてギャラリーで作品を展示する際
「入場料」を取るのはアリか
という事を考えてみたい

例えば車や家を展示している場所も
ギャラリーと言われる

車や家となるとそもそも買う気がある人が
訪れるパターンが多いのではないだろうか


それに対して
アートギャラリーは
とりあえずふらっと観に来る人が
多いように感じる

これは賑わい感を出す為にも
ギャラリーとしても
"戦略"のひとつとして捉えてるだろうと思う

おそらくここで入場料を取ると
観に来る人はぐっと減るだろう


ピカソやゴッホなど
"有名なありがたい"絵でないと
なかなかお金を払って観に来るのは難しい


しかしチームラボの例を取ってみると
「その場でしか体験できない」
ものには価値を感じてもらえるのではないだろうか

例えば
大スクリーンで見る映画や
サーカスや演劇などもそれに当たる


もし無名の作家が
入場料を取って展示をするならば

「その場でしか体験できない」を
ちゃんとデザインする必要がある


家でお風呂に入ればいいのに
わざわざ温泉に行きたくなるのはなぜか

家でホットプレートでやりゃいいのに
わざわざ焼肉屋に行きたくなるのはなぜか

家で口ずさんでればいいのに
わざわざカラオケに行きたくなるのはなぜか

(口悪いの許してね)


入場料を払う裏には必ず"体験"の価値がある



そしてその体験を《多くの人に》
届ける必要がある

そこを考え尽くさないと
採算は見込めないだろう




今日から祇園祭の前祭が始まる

祇園祭の鉾(ほこ)は
「動く美術館」と称されるが


これは無料で見れちゃうんよね🙄


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