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普段TVを見ない子どもがTVを見たらどうなるか?

旦那もわたしも結婚するときにTVを持っていませんでした。だから、わざわざTVを買うことはなく、すでに13年が過ぎました。わたしはTVが大好きな人間で、家にTVがあれば、きっと争い事が多いのだろうと思います。だから、あえてTVを購入していません。そして、結婚してから3人の子どもが生まれたのですが、日常生活でTVを見ないで育っているところです。

おじいちゃん・おばあちゃんの家に行った時に、TVを見る時間は特に制限していません。特にわたしの実家では、おばあちゃんは起きている間はTVをずっとつけっぱなしにしているので、子どもたちはTVを見ていることが多いです。そして、TVを見ている時、見た後の子どもの行動が全く違うのには毎度驚かされるのです。

この投稿では、普段TVを見ない子どもが、TVを見たらどうなるかについて綴っていきます。ここで言うTVには、YouTubeやネットフリックスも含めたスクリーンでの動画を指しています。そして、これは我が子についての描写なので一般論としては語れません。あくまでも、わたしの子どもに起こっていることを、母親であるわたしが観察して感じたことなのです。

また、目に見える言動を中心に話を進めるので、TVを通して情報の量が増えるだとか、考えが広がると言った、目に見えない判断しにくいことには、この投稿ではあえて触れないでおきます。

TVを見ている間

普段TVを見ていないと、TVを見ることがとても特別なことだと子どもは感じています。ですから、TVを見ている間はとても集中して、固唾を飲んでTVを見入っているのです。でも、その様子は、何か物を作っている時の集中力でも、危険なことに直面した時に危険を回避しようとする時の集中力でもありません。

TVを見ている時、子どもはここにいない、って感じます。体はここにいるんだけれど、中身が体に詰まっていない。本当の子どもは不在の状態。そんな、つたない表現しかできなくて申し訳ないのですが、子どもの中身がどこかへ飛んでいってしまっている感じがします。俗に言うと、魂がTVに吸い取られてしまっているって感じです。だから、TVを見ている子どもに話しかけても、反応がかなり悪いです。返事がほぼありません。

また、TVを見ている間は、体が動きません。眼球も動きません。だから、何かに固定されているような感じがして、子どもらしい動きが消失しています。だからかもしれません、子どもの存在がどこかへ飛んでしまっているような感じがするのは。本来、子どもは動きとともに存在しています。

TVを見終わってから

子どものためのTV番組を2つ、3つほど見たら、「頭が痛い」「目が痛い」と訴えてきます。普段慣れない光や音を聞くと、感覚神経系の不調を訴えてきます。だからと言って、TVの人工的な光や音に慣れて欲しいとは思いません。明らかに、体に負担がかかっているのが分かるからです。また、「お尻が痛い」とも言います。体を動かさないで、じっと座っているからでしょうか。全身がスッキリしていないようです。

また、TV番組を一つ見終わると、子どもの遊び方がとても変わります。TVで見たものを再現しようとする遊びになるのです。例えば、ピタゴラスイッチを見たら、自分でも作ろうとします。仮面ライダーを見たら、自分が仮面ライダーになりきって悪者を倒す遊びを始めます。

普段の子どもの遊びとは全く違って、ぜんぜんクリエイティブではなくなります。ピタゴラスイッチを作ること自体はクリエイティブだと思っている人が多いと思いますが、ピタゴラスイッチというイメージがすでに頭に焼き付けられているので、猿真似の遊びに過ぎないので、クリエイティブさに欠けていると思います。普段TVを見ない日常では、子どもの内から湧き上がってくる遊びは、もっともっとクリエイティブで、大人の想像を絶するような遊びを展開するものです。

TVを見ていない時は、「今日はあれをした、これをした」って、自分のことを話します。自分が体験したこと、感じたことが、話の中心になるのです。でも、TVを見た日には、話の内容がTVになってしまいます。あたかも本人が不在しているかのように、自分の話ではなく「TVであれを見た、これを言っていた」と言うのが、家族団欒の内容になります。

そして、親よりもTVを信じているのです。「ママはそう言うけれど、TVはこう言っていたもんね!(だから、ママは正しくない)。」って。

それに、TVを見終わっても数日は、CMの歌をずっとリピートして歌っています。例えば、「やめられない、とまらない、かっぱえびせん♪」。時々、うざいなって思ってしまうほど、ずっとリピート。かっぱえびせんは食べたことないのですが…。普段はもっと面白いクリエイティブな即興曲を作っては歌っているんですけれど。

また、特にニュース番組を見た後は、子どもの恐怖心が強くなります。ニュースでは、国内での殺人事件、詐欺事件、外国での内戦、世界の貧困など、小さな子どもが受け止めるには過酷すぎる情報が、映像とともにたくさん流れてきます。そして子どもは、この世界がどれだけ醜いのか、生きるのに不安なところなのかを感じ取るのです。そして、夜になってもなかなか眠れなかったり、夜中に起きてしまったりするのです。

このようにTVを見ていない子どもが、TVを見てしまった時に、子どもの言動にどんな良い反応があるんだろうと、ポジティブに観察してみましたが、残念ながら良い言動がみられなかったと思います。

だからと言って、TVを全面否定する気持ちにはなりません。基本的にわたしはテレビっ子で、テレビに育ててもらったと思えるほどの、テレビ人間なのです。今でも、テレビをみるのが大好きです。TVにはいろんなアイデアもあるし、ためになる内容もたくさんあります。

TVがあることで、親は助けられることもあるでしょう。親にとってプラスになることがたくさんあるはず。だけど、わたしは幼い子どもの身体と心にとって、プラスになることは見つけることができませんでした。

ただ、子どもがまだ幼いうちは、TVを直接見るのではなく、親がTVの内容をいったん受け止めて、それを子どものために活用する付き合い方の方がいいと思いました。そして、子どもがもう少し大きくなって、中学生ぐらいになって、少しずつ自分で考えられるようになったら、TVを直接見る時間が少しあっても良いと思います。

※この記事の冒頭にある写真は、フランスの子ども向けTV番組を撮影したものです。これを見てモンチッチを思い出した人は、わたしと同世代のはず。


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