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校長室の大金庫  NO37

「ここから」の学校の校長室はカウンセリングルームとして使うことに決まったのですが……

困ったことに、校長室には大金庫があるのです。

何でこんなに大きな金庫があるの?二人でもどれだけ力を込めても、びくともしない代物です(高さ1メートル40センチ、幅1メートル、奥行き70センチ)。カウンセリングルームに大金庫はやっぱりまずいだろう!ということになってもビクともしないのではねえ~まあ、ちょっと布でもかけて隠そうか…と思っていた矢先のことです。

ある日、私がこの学校を始めるまで、適応指導教室をやっていたのですがそのときに関わって、元気になり、高校に通っている子と、この春から公認会計士になるために専門学校に通いだした子が遊びに来てくれたのです!

「先生、ちょっとまずいんじゃあない?この金庫!どっかにどかせんの?どかしていいんやったらどかしたろか?」と言ってくれて、大金庫移動作戦に取り掛かったのです。

 寄宿をしている良介(16歳)と事務局長(体力に自信のある33歳)専門学校生(18歳)高校生(17歳)と若い一番体力に自信のある年代の男性が、4人で思いっきり力を出して汗だくになりながら動かしても隣の部屋へ1メートル移動するだけで精一杯の状態でした。後日また大の男の人が8人でやっと邪魔にならないところまで運んでくれました。

学校の中を使いやすくしていくために、みんなが少しづつ集まっては手伝ってくれています。理事長の私は、力もなく何にも出来ないけれど、本当にみんなに助けられているなあ~とつくづく感謝する毎日です!


良介はここに来て、いろんな人たちに出会っています。同年代の人はいないけど自分と同じように不登校でしんどい日々を送って、でもがんばって回復し、見事に自分の進路をつかみ、生き生きとやっている人たちや、「ここから」に協力してくれるいろいろなユニークな人たち…そんな人たちと、出会い、一緒に動いたり、いろいろな話を聞いたりすることで、今まで考えもしなかったことを考えるようになったり、自信を戻しはじめたのです!

たくさんの人に出会い、その一人一人に人生の歴史があり、自分らしく生きようとがんばっている姿からいろんなことを学んでいったのです!

私たちの「ここから」は、こういう出会を大切にしていき、不登校で「ここから」に来ていた時期を恥ずかしいと思ったり、、隠したりすることなく「自分にとって有意義だった」と言えるような寄宿生活を経験させたいと思っているのです! 

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