今話題の『N/A』を読んで生理について考える



『N/A 』を相馬から借りて読んでいる。
生理を止めたくて飯を食べないようにしているJKが主人公。痩せたいわけじゃない。あくまで「生理が嫌だから」食べない。
私も生理を止めたくて薬を飲んでいる。婦人科の診察室や、親や友人に言う「生理痛がきつくて……」という理由は表層的なものであって、本当は「生理(そのもの)が嫌だから」だから止める。
そもそも、月に1度、自分は女である。と思い知らされるのが気色悪い。どんなに抗っても自動的に股から血が流れてくるシステムはどう考えても暴力的だと思うし、そこに神聖なものなんて1ミリも感じられない。フェムケア運動に興味はあるけど、彼らは生理を美しいもの、と神格化しているような印象がぬぐえない。
もし私が腕からあの量の血を流していたら、きっとみんな心配してくれるだろうに、それが誰にも見えないパンツの中であるがゆえに、いつも通りのふるまいをしなくてはいけない。面白いことがあったら笑って、おいしいものを食べたら「オイシー!」といって、A=A、B=Bの行為を求められる。理不尽だ。
それでいて「すみません。生理で……」というと大抵の人は「めんどくさい」と感じるだろう。あと、たまに見かける「生理中に彼氏が優しくしてくれた」や「彼氏に生理痛ドッキリかけてみた」の類。あれも理不尽だと思う。生理のある/なしを選択できなかった男にたいしてなんの理解もなく「生理の苦しみを分かってもらおう!」とするのが嫌だ。分かるわけないだろ。知らないんだから。あほか。私が男だったらキレている。そして「生理に理解がない男」としてつるし上げられるのだろう。
私は戦争で片足なくした人の苦しみを想像することはできるが、きっとそれは想像の範疇を超えない。それは片足なくなって初めて知るのだ。しかし自ら足を切断しようなんて思わん。
こんな社会も、自分の体も嫌で薬を飲み続ける。あと、課金して自分の体内サイクルをいじるのは少々面白い。
生理のない自分の体は好きだ。男でも女でもなく、一人の私であれるような気がするから。



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