ドブス短編 「閲覧注意」
11月8日、私は阿知波氏の自宅前に立っていた。
私がこの家に来たのは水道料金の未払いが半年も溜まっていたためだ。水道局員である私は、阿知波氏本人からの指名を受けて招かれた。どうやら阿知波氏曰く、私でないと料金は支払わないと言っているそうなのだ。
ちなみに、私と阿知波氏との間には何の接点も無い。私は他の局員からまるで押し付けられるようにして、この家までやって来た。
この家の周りにはツタが生い茂り、糞尿の香りが辺りを包み込んでいた。私はその異臭に耐えつつ、恐る恐るインターホンに手を伸ばした。
インターホンを押すと直ぐに「はーい。」と威勢の良い男の声が聞こえてきた。そして、何やらとても興奮したような様子の男は、いきなり物凄い勢いで玄関のドアを開けた。
急に開いたドアは私の鼻へと直撃した。ボギッと骨が折れたような音がして、それは途轍もなく痛かった。
クククと奇声を立て、男は喜んだ。すごく嬉しそうだった。私は痛みのあまり涙が出そうになったが、どうにかして堪えた。
そして、何を隠そうこの男こそが、あの阿知波氏であった。
「あの、どうやら水道料金を6か月延滞しているようですが、いつ御支払の方は出来ますでしょうか?」
「もとろん、づんびできでまず。えま、はらえまず」
「つまりは、今すぐに払えますでしょうか?」
「えん、どうでず。」
阿知波氏は、どうやら発声に少し問題を抱えているようだった。
「どうじょ、えんりょでずに、いえにへいっでぐだざい」
と言われたので、私は家の中へ入ることにした。
「あのねぇ、あの、あのぼくんちのでぇ、おふろ、おぶろげねぇよ、おぶろよごれちっで、おごれすんげから、あどでみでくだざい。」
「あの、申し訳ありませんが、風呂掃除は私の専門外でして...」
「おめ、なね、いってんだぁ! おでのいえにはいっだのに、ぶろをそうじしねぇんなんで、ありえねぇだ。ゆるでねぇ!!」
「わ、分かりましたよ、やりますから!やりますよ!」
阿知波氏の機嫌を損ねないよう、私は何とかして笑顔を繕った。
「それで、御風呂は何処にあるんでしょうか?」
「ああね、どごだっけかな。ああ!こっじね、ごれね。こごがおでのぶろね。これよ、ごれをどうにがしでね。」
そうして、風呂場まで移動し、いざ浴槽を見てみると、
そこには、腐乱した女性らしき死骸の姿があった。
「ウッ...」
私は思わずその場で吐いた。
「あぁ、おらのおっがさん、まだぶろはいっでださぁ。」
「お母さん?? あなたいつからこれを放置してたんですか?」
「ほうぢ? すまねぇが、なにいっでるかわかんねさ。」
「あんた、これ死んでますよ !!」
「まさか、これに気付かなかったとでも言うの??」
「あん、きづかなかったべ。」
「???????????」
私はショックのあまりに気絶し、その場に倒れた。
気が付くと、私は阿知波氏に四肢を切断された後だった。
「おっ!! やっど、おぎだかぁ~。まっでだで。」
「ん?ん? あっ!あ! んあぁぁ!!!!!!」
「いややっやっああああああああああああああああ」
「死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない」
そう叫び、喚く私に向かって、阿知波氏はこう言った。
「あんまりさげぶでねぇ、バレちまうでねぇが。」
「なんで... どうして... どうしてこんなことしたんですッ!!!」
「なぜっで、おめぇをな、オラのオナペットにするためださぁ」
「こうすれば、オラはおめぇのこど犯し放題なんだぁ!」
その言葉を聞き、私は思わずこう叫んだ。
「ずべでが憎い"❕❕」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?