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ホラ貝/Triton's Trumpet Shell@千葉県鋸南町-保田漁業協同組合直営ばんや食堂

2021/4月訪問

私はかなりの頻度で千葉県の海側へ行ってまが、この日は江戸時代から明治初期まで安房勝山で約200年以上続いた捕鯨に関するいくつかの史跡を調べに行きました。

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内房線安房勝山駅から漁港方面へ歩いて5分位の所に捕鯨に関する資料を集めた「町角博物館」があるとネットに出てたのでそこを訪れようとしたのですが、数年前の台風被害で閉鎖になったようです。そんな中、近くでお化粧品や文房具を販売するマツオカと言うお店で捕鯨の歴史や地域にまつわる色々なお話が聞けたのは大きな収穫でした。なんでもここのオーナーさんが筆頭となり勝山の捕鯨に関する資料をまとめたんだとか。
https://maps.app.goo.gl/9GCZ9588t1vgGG9g8

↑勝山で捕鯨の歴史を調べたい方は是非こちらへ訪れて下さい。

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さて、勝山漁港すぐ側には大黒山と呼ばれる標高70m位の小さい山があり、登って行くとかつてこの地域で捕鯨を指揮した「醍醐新兵衛」のお墓があり、頂上には展望台と「魚見石」と呼ばれる捕鯨の史跡があります。

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展望台に上ると360度のパノラマで周囲が全て見渡せます。遠くに見える左側の岬みたいのは館山です。

江戸時代の捕鯨は正にこの魚見石(大っきい岩)に登り、東京湾の入口館山方面から内湾に入ってくる鯨を潮吹きから進路を捕捉し、ホラ貝、手旗信号や狼煙などで漁港で待ち受ける捕鯨船団に合図を送っていたそうです。

↑パノラマ景色を10秒程の動画で撮りました。この展望台のイメージがよく分かると思います。

しかし気になったのはホラ貝です。どんな音がして、どんな味がするのか…?

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そう思っていた私が来る事を神様が予想してか?偶然にも保田のばんや食堂のイケスにホラ貝が入ってました!これは当然注文です(#^.^#)

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さあ来ました!食ってみましょう(^o^)

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ところで、ホラ貝の内臓にはフグと同じ毒テトロドトキシンが含まれているので、そこと唾液腺を取り除いた身の部分だけしか食べられません。

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ホラ貝は海中では、ヒトデを捕食するそうです。そうなるとサンゴの大敵オニヒトデも食べてくれるから頼もしい。しかしそんな物を捕食する貝の味は一体どうなのか?

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旨いです(^o^)!。活だから硬いですけど、丁度良い塩梅にスライスされてるので食べやすい。味は活のツブ貝に似てます。全く生臭さが無いのでむしろワサビを乗せない方が貝自体の風味を損なわず美味しく食べられます(#^.^#)

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しかし殻が分厚い。これを吹くと音が出るなんて昔の人はどうやって発見したのか?

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ところでホラ貝と言えば「ホラを吹く」という言葉をよく聞きます。これは俗に事実無根のいい加減なことや、事実を誇張して語ることを言います。

仏教界では、大きな巻貝に穴を開けて吹き鳴らす道具を法螺(ほうら)と呼び、その法螺を作る貝を法螺貝と言うそうです。法螺は正しくは「ほうら」であり「ホラ」は発音の略。

本来ホラを吹くとは、仏教経典の中で「殻の音が遠く聞こえる。これをもって仏の説法にたとえる」とあり、法螺(ほうら)を吹くとは「仏の説法」を意味します。

今日においては、凡人が説法を真似て立派なことを語っても、所詮は実行が伴わない。そこで言行不一致の演説が「ホラ」になり、「ウソ」になったのであると、仏教学の教授はおっしゃってます。

↑で、ユーチューブにホラ貝を吹いて音を出してる動画がありました。このような音を合図に捕鯨を進めていたのでしょうか。

この貝は、昔から世界各地で吹奏や合図のために用いられてきたようです。だから英語ではTriton’s trumpetと言うのかも知れません。

いずれにせよ、ホラ貝は江戸時代の勝山捕鯨シーンを脳裏に過らせる味でした(#^.^#)









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