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海女さんレガシーと御宿海の幸/AMA diver’s legacy and local seafood@千葉県御宿町たなか寿司

2022/09/13 訪問

この日は千葉県のアワビと海女さんに興味を持った方をお連れし、併せてあまり知られていない御宿の観光資源について幾つかガイドさせていただきました。

先ず千葉県のアワビですが、漁期は漁業調整規則で4月1日~9月15日、漁獲するのは海女(女性)さんor海士(男性)さんと定められており、その品質の高さから全国プライドフィッシュの1つとして認定されています。

千葉県房総半島においてアワビを食べる事が出来る場所は、外房内房ともにいくつかあります。しかし海女さんに興味があるのならば、ここ御宿町は海女の歴史の観点から個人的に外せません。って言うか、絶対紹介したい場所なのでした(*^_^*)

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↑今回の目的地、千葉県御宿町はここ
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↑東京駅からだと、特急で1時間20分、通常の電車で行っても外房線で約2時間で着きます。

ちょっと余談になりますが…

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↑青丸に注目

この日は上記青丸でくくった上総一ノ宮駅で乗り換えだったのですが…

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JR外房線上総一ノ宮駅

駅に着いて驚きました(^O^)

↑まだ東京2020オリンピックの『ルック』が残ってました!これは、東京2020オリジナルのグラフィック『Look of the Games=大会ルック』と呼ばれ、各大会を印象付ける“顔”となるデザインを指します。

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プラットフォーム待合室

ここ上総一ノ宮はオリンピックサーフィン会場となった、釣ヶ崎海岸があるのです(^o^)

私はちょうどオリンピックサーフィン決勝が終わって3日後に現地を視察しにいきました。↑上記動画はその時の様子です(^o^)

↑ご存じの方もいると思いますが、私は東京2020オリンピック公式ボランティアでした。(^o^)

上総一ノ宮駅にはそんな思い入れがあるので、非常に懐かしい思いがこみ上げてきました。

さて、本題に戻ります。

海岸沿いにある月の砂漠公園

御宿は意外と知られていない観光スポットやイベントがいくつかあります。この月の砂漠公園では全日本ライブセービング選手権大会が開催されたり↓

ビーチバレー大会があったり↓

更にはアームレスリング大会も開催されます↓

他にも御宿町歴史民俗資料館には、かつてこの地にいた海女さんに関する資料や漁業具などが展示されているのはもちろん、五倫文庫と呼ばれる日本に学制がしかれた(明治5年、1872年)初等教育「小学校、戦後は中学校を含む」で使われた教科書(世界中の物も含む)を集めた文庫があります↓

さて、この日アワビを食べる場所は以前行った事がある『白鳥丸』さんに決めてましたが…

何とこの日は臨時休業してました(>_<)

ガッカリしてる暇はありません。私はこのツアーを楽しみにしている人を連れてきてます。こんな事もあろうかと、第2の選択肢として考えていた、アワビ&伊勢海老で有名な『たなか寿司』さんへ向かうことにしました。

昼12時前に到着

人気店なので入れるかどうか心配しましたが、無事に入れて本当に良かったです。もうここでダメなら他に選択肢がありませんでした。

無事に座敷へ

注文も終えて後は御宿で獲れた海の幸が来るのを待つだけです。

店内のイケスには鮑や伊勢海老がいます

この店を出た後は、昭和初期にこの地に実在した海女さんの写真を展示している場所へ向かうので、その概要を説明しようとした時、店内の雑誌ラックに凄い物を発見しました!

雑誌ラック

あ、あれはもしかして…

↑赤丸に注目
御宿海女写真集第二版『海女の習俗』

凄い!なんということでしょう。私が御宿の海女さんに興味を持った数年前からずっと気になっていた写真集の続編が今目の前に!

これは1931(昭和6年)~1964(昭和39年)、この御宿(岩和田)に実在した海女さんの黄金時代を写し撮った貴重な写真集の1つ。

撮影者はこの御宿で300年の歴史を誇る岩瀬酒造『岩の井』の当主『岩瀬禎之(いわせよしゆき)』氏。酒造を営みながらもカメラマンとしてこの地の海女さんを50年間撮り続け、ドイツのローライフレックスカメラ主催の懸賞写真展では二位に入選し、毎日新聞社主催日本写真美術展においては内閣総理大臣賞を受賞しておられてます。

個人的に驚いた写真1

↑キャプションに『メバル刺し』と書いてある。えー!貝類や伊勢海老以外に魚も!この写真周りが暗いから夕方以降でしょうね。驚きです。

個人的に驚いた写真2

↑キャプションに『アメリカ人ソンさん(奥さんは日本人)海女たちと顔なじみ』と書いてある。えー!この時代のこの場所で国際結婚があったんだ!ソンさん、ちゃんと御宿にいた海女さん文化を祖国アメリカに伝えたんだろうか?と思いました(*^_^*)

いやーもう正に論より証拠。私が海女さんの事を色々語るよりもこれら写真の数々を見せたことにより、同行された方は食事を待つ間、御宿海女さんの歴史をより理解して頂けました。

さあ、お待ちかね御宿海の幸を堪能しましょう!

伊勢海老刺身
伊勢海老味噌汁
アワビ刺身

海女さんの歴史をガッツリ勉強した後に食べるこれら地元海の幸はなんて旨いのでしょう!どれも文句なし最高です!

しかしこの時私はとにかく、無事にアワビと伊勢海老を同行された方へお召し上がり頂けた事でホッとしました…これが食えなかったら来た意味が無くなりますから(>_<) 

たなか寿司さん店内に貼ってある、かつて御宿観光促進に使用された公式ポスター

さあ!店を出て海女さん写真館へ移動します。

岩瀬酒造 岩の井入口

この場所へ来るのは2回目です。前回、中の様子が良く分かる動画も作りましたのでご覧下さい↓

海女写真館
写真館内
写真館内
アワビを剥がす漁具。結構重い

さて、今回初めて興味を持った方を御宿にお連れし、本人の当初の希望である地元のアワビ&海女さんの歴史を楽しんで頂く事ができました。イレギュラーもありましたが、無事にほぼイメージ通りのツアーが出来き良かったです。

しかしながら、今回ここへ来る数週間前から外房を中心に訪問予定日にアワビが本当に食べられるか?(あるのか?)を現場に電話をし事実確認するのが大変でした。

その中で、いくつかの飲食店が『今年はアワビ捕れてなく、値段も高い』と言っていたのが気になりました。

温暖化など、海水温の変化など色々な要因はあるのでしょうが、私的にはズバリ密漁が主たる原因だと思ってます

↑こんな事が中国人や心ない日本人によって普通に行われています。千葉県内外房におけるサザエやアワビの漁場で、ウェットスーツ酸素ボンベ着用した不審者が魚介類を採っているシーンを過去に何回か見た事があります。まさにこんな感じ↓

先人が築いてきた伝統ある偉大な漁場で育まれた海の幸が、今正に『犯罪者』によって乱獲され、地元漁師さん達が困窮に向かっている事をお伝えし今回のレポートを締めくくります。


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