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好意の法則

人は好意を感じた人に対して提案や要望などを聞き入れてしまう傾向があります。ごくごく当たり前のように感じるかもしれませんが奥が深く、知らないうちにこの法則に従ってしまっていることがほとんどです。

・外見の魅力
いきなり外見かよと思うかもしれませんがかなり重要です。ハロー効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、ある人が望ましい特徴を1つ持っていることでその人に対する他者の見方が大きく影響を受ける効果のことです。外見がいいだけでその人の能力が高く見えたり誠実な人だと感じてしまうのです。選挙の投票率も、面接の通過率も、給料の高さも大きく影響を受けているという研究が発表されています。外見が良いだけでその人を実際よりも高く評価してしまうのです。

・類似性
人間は自分と似ている人に好意を持ちます。似ている服、名前、出身、趣味などなんでも当てはまります。イメージしてみてください、初対面の人が自分と同じ出身地だったり同じ誕生月というだけで急に親近感が湧きませんか?まさにそれです。

・お世辞
私たちは他者からの称賛を信じ、それを言ってくる人を好む傾向があります。いわゆるお世辞です。お世辞なんて信じないよという人がいるかもしれませんが言われてうれしくないという人はいないはずです。たとえ見え見えのお世辞でも効果があるのです。人間は自分自身に強い興味があり、事故承認欲求の高い生き物です。その場ではお世辞と思っていても潜在的には称賛されていると認識するのでお世辞を言ってきた相手にも好意を抱くのです。

・接触と共同
まずは接触についてですが、人間は馴染みのあるものに好意を感じます。例えば友達から撮影してもらった写真と鏡に映る写真の2つを用意しそれぞれ自分と友達に見せてどちらに好意を感じるかを聞くとわかりやすいです。自分は鏡に映る自分に好意を感じ、友達は普段の写真の方に好意を持ちます。これはなぜかと言うと、普段自分自身を認識するときは鏡に映る自分であり、友達からの視点で自分を認識できないからです。また、名前を聞いたことがあるという理由だけで投票してしまうこともあります。これを考えると著名人やインフルエンサーが販売する商品が売れやすくなるのは納得ですよね。

共同というのは簡単に言うと連合意識です。同じ目標を持った集団であればそれまで仲が悪かったとしても徐々に協力関係になり、最終的には仲間意識が芽生えたり絆が生まれるという研究結果が出ています。同じクラスメイトになったりチームであまり仲の良くない人がいたとしても行事や大会など同じ一つ目標があるときは協力しますよね。
この連合意識というものはかなり強く、批判につながることもあります。例えば天気予報です。天気予報士はあくまで予想することが仕事であり100%当てることが仕事ではありません。なのにも関わらず天気が外れたときに天気予報士に文句を言う人がいます。これも連合意識がもたらす現象です。

また、スポーツチームとファンの関係もこの連合意識の代表例です。自分が応援しているチームが勝つと自分が勝ったような気持ちになることがあると思うのですがそれこそ連合意識の表れです。ここで面白いのが自分の応援するチームが勝利すると「われわれ」が勝ったと言い、敗北すると「彼ら」が負けたと言うことです。このような表現をしてしまうのは栄光浴に浸りたい人なのです。このような人は否定的な自己イメージが強い人に見られます。自分の誇れる部分がないからこそつながりを見つけてそこに肯定的な要素をつけて誇るのです。


この好意というのは知らず知らずのうちに、そして強力なので注意が必要なのですが、仲良くならないとするのは難しいと思うので状況的に不自然に相手に好意を持っているなと感じた時に気を付けることが大事になります。特に初対面の人に対して好意を持ちすぎないことが重要になります。

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