クライアントも共犯者:ヒーラーから依存されてしまうクライアントの性質
今回は筆者(ペンネーム:真実の剣)による、ちょっとした気づきのメモです。すっきりした記述ではありませんが、問題意識を持った方には重要な内容であると感じており、このnote記事でシェアします。
■ヒーラーに依存されてしまうクライアントの性質
かなり昔に、ヒーラーの先輩が指摘したことを突然思い出し、なるほどと腑に落ちたのでこれを書いています。これは、結構、見られる構図だそうです。
ヒーラーとクライアントの依存関係というと、クライアント→ヒーラーへの依存、つまり「クライアント側がサービスを提供しているヒーラー側に心理的に依存する」という構図を想像しそうです。
こちらは立場上よくある話で、だからこそ、ヒーラー側が一定の線引きをして気を付けているケースがまま見られます。例えば「相談時間を明確に区切る」「緊急と訴えてきた際でも夜間早朝は受け付けない」といったことです。クライアントは仕方ないことですが心理的な問題を解決したいと思ってヒーラーを訪れていることが多く、それだけにこうした線引きをしないとヒーラー側も心身がもたなくなります。
しかし、意外にも、「ヒーラーがクライアント側に心理的に依存する」という逆転パターンというのがあり、これが先輩ヒーラーが指摘していたことです。そしてこれは、無意識のうちに行われます。
ヒーラーもクライアントも生身の人間ですから当然、それぞれいろいろな課題を抱えています。仮にですが、ヒーラー側がクライアントに対して資産や社会的地位についての劣等感を心の奥底で感じた場合、無意識のうちにその劣等感を解消するような行動を取るようになります。例えばですが、「クライアントに対して必ずしも今は必要のないヒーリングを、『あなたのこういうところが問題でそれを直すにはこれが必要』と理由を付けながら勧めてしまう」というものです。
知識的な優位性を使った形で相手をねじ伏せる格好になり、非常に好ましくない構図と言えるでしょう。
また別のケースとしては、クライアント側が共依存的な性質(=困っている人を見つけるとつい世話をしてしまう、それによって自己の存在価値を確認しようとする性質)を強く持っている場合です。
一方的にクライアントがヒーラーに対してどこかしら共依存の傾向を抱いているだけであれば、それほど問題はありません。しかし、その共依存的な性質をヒーラー側に感づかれると、やっかいです。ヒーラーが無意識のうちにクライアントの共依存的な性質につけ込んで、先に挙げたように「ヒーラー側が何かと理由を付けてヒーリングを勧める」ということが起きやすくなります。
いずれにしても、無意識下の深いところで起きている動きです。ヒーラーも、またクライアントも、決して悪気を明示的に持っているわけではありません。なので非常にわかりにくいのがポイントです、しかし、一度、このような依存関係に陥ってしまうとアンバランスな人間関係に陥ります。
当然これらの関係性はうまく持たず、たいていの場合、何らかのトラブルに発展して破綻する、という結果を招きます。
ヒーラーの先輩は「逆転現象を防止するには、ヒーラーこそが癒やされるべき」と強調していました。つまり、ヒーリングセッションにおいて主導権を握るべきヒーラー側自身が、十分に自分を受け入れ、十分に癒やされ、満たされていると防止できる、というわけです。
だいぶ昔のことですが、私はクライアントとして他のヒーラーとの間でこのような不健全な依存関係に陥ってしまったことがあります。今から振り返ると、これは私自身が無防備に自分の共依存的な性質を暴露してしまったがゆえのトラブルだったと思っています。まさに、私というクライアントが「トラブルの共犯者」になってしまったわけです。
翻って、ヒーラーは形而上学的な見解とヒーリングの手法については詳しいですが、こうした心理学的な人間力学については、意外に知らないことが多いのも現状です。
そうなると、自分の心理的状態を客観的に測るモノサシがないままトラブルにはまっていくことがあり、これまた危険です。
カウンセリングやセラピーの世界では「スーパーバイズ」と呼ばれるセラピストやカウンセラーをケアする取り組みがあるようです。ヒーリングの分野でもそれが必要かもしれません。
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