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邪念走 番外編(チーム プロ・フィッツ)

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【邪念走】番外編 第3回 小さなブリッジを渡る。

「というわけで洗浄力重視で価格を抑えたい方は」 6回目……。 「ドラム式よりタテ型をオススメしております」 7回目……。 「マンションのような集合住宅でも」 8回……。 「置き」 9……。 「やすいですからね」 10! そうして店員は洗濯機の操作パネルを触り始めた。洗濯機を買い替えようと近所の家電量販店を訪れ、店員に縦型とドラム式のメリットやデメリットを聞こうとしたところ、「いらっしゃいませ」……。「洗濯機のご購入でしょうか」……。「ドラム式とタテ型ですか」……3回

【邪念走】番外編 第1回 踏ん張る力を手に入れる。

「邪念走」本編は、ランニングを始めてからハーフマラソンの参加、フルマラソンへの挑戦、そしてウルトラマラソン達成の軌跡を描く感動巨編のはずなのだが、ランニング中に沸き起こる邪念があまりにも多すぎて、現在24話を記載したももの、いまだにランニングを始めて半年後、ハーフマラソンに初挑戦した場面という、ワンピースのドレスローザ編並みの長さになっている。 まだ2016年の話である。あれから4年経って、ウルトラマラソンはまだ走っていないものの、フルマラソンは2回走っている。しかし「走っ

【邪念走】番外編 第2回 走りながら回復する力を手に入れる。

薄型圧迫固定サポーターで踏ん張る力を手に入れた1ヶ月後、株式会社ピップから今月のサポーターアイテムが届いた。「スポーツテックタイツ」と書いてある。タイツである。ちゃんとしたタイツである。そう、私がマラソンを始めるきっかけになったのは、ちゃんとしてないタイツが始まりだった……。 4年前の真冬の日曜日の午後、やることが何もない私は上半身裸、下半身は黒い防寒タイツ姿でプロレスラーのポージングを取っていたが、すさまじく寒いのとあまりにも貧相な身体に惨めになったため、早々に長袖Tシャ