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女子柔道の野獣と言われた元メダリストの松本薫がこんなことを言っていました。

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「アスリートには、理論型の人と感覚型の人と2つのタイプがいる…私は理論型なんです」

それを妻と一緒に聞いていたんですが、その時妻はこう言ったんです。

「なるほど!この話めっちゃ分かる!確かに!」 って。

へぇー、そんなに響いたんや。

で、僕はてっきり妻は「私は感覚派だ!」という意味で響いたのかと思ったら、

「私は完全に理論型やわ。だから感覚派の人と話が合わんかったんやな」

って言ったので僕はびっくり仰天したんです。


あ…、なぜびっくり仰天したのかの説明をこれからします。




実はちょっとした事件があったんです。

夕方、我が家の庭に1匹の犬が迷い込んできました。

柴犬っぽいけど柴犬とは言い切れない雑種かなぁ…

で、めちゃくちゃ人懐っこいんです。

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まるまる太っていて、くっついてくるんです。

身体を触ってもぜんぜん嫌がらず、とても飼い主に大事されてきたんだろうなぁ…というのが想像できるんです。

迷い犬だからご近所の犬なんでしょうけど、そんなに見かけた記憶はありませんでした。

でも首輪をしている。

で、よく見ると、首輪に狂犬病の予防接種番号と鑑札番号の書かれた札がついているじゃないですか。

飼い主さんは偉いなぁ…

と僕は感心していたんです。

でも、じゃあどこに連絡したらいいんだろうか…

それが分からない。

そこでまずは我が家がかかりつけの動物病院に相談しようと電話してみました。

すると、市役所に聞いてみろというんです。

そこで、市役所に電話したところ、警察に言えというんです。

おいおい、たらい回しかよ~

と思いつつ、警察に電話しました。

すると電話口の婦人警官のお姉ちゃんが、めちゃくちゃ愛想よくて、

「そこで待っていてくださいね。すぐに警察官を向かわせますので」

と返答してくれました。

僕の中ではこれで、「やれやれ」と思っていたんです。

だって、予防接種番号と鑑札番号がわかっているわけですよ。

これを辿れば飼い主は特定できるじゃないですか。

で、犬も見るからに飼い主に大事にされていると推察できる。

だとすればおそらく飼い主は今頃、犬がいなくなったといって探していることでしょう。

警察から調べて連絡してもらえれば、飼い主は大喜びで一件落着のはず。

なんといっても警察というのは捜索のプロなんですから。

と僕は瞬時に論理で理解し、安心していました。

ところがです。

妻は違いました。

飼い主が心配して探しているかもしれないと近所を走り回って、犬探しをしていそうな人を自分の足で捜索しまくっていました。

でも、そんなもんは見つかるはずもなく、その後、その犬をかいわいがって、お水をやったりおやつをあげたりして、

「大丈夫大丈夫。あんたは賢いな。すぐ見つかるけんな」

と犬に声かけを続け、そして僕にこう言うんです。

「警察なんかに渡したら、ちゃんと探してくれんかもしれん。真っ暗な檻に入れられるに違いない。ご飯や食べさせてくれへんわ。お腹すくわ。かわいそう」

そして

「うちで引き取ろう」

えー?

飛躍しすぎ!

うちでおったら、飼い主さん、もっと困るで!

見つかるもんも見つからんで!

僕らが飼い主探すより、警察に任せた方が確実に決まってるやん!

保健所とかのデータベースで絶対分かるから。

こんな強力な手掛かりがある捜索はないんやから、ぜったい任せた方が確実よ!

「ほうかなぁ…、もし見つからんかったら、3日ぐらいで殺傷処分とかになるんよ。私、知っとるもん、迷子の子がどうなるか…」

と半泣き。



やがて…

警察官2人がパトカーに乗って我が家にやってきました。

ところがこの警察官、

若造です。

1人はおそらく今年春に入った新人。もう一人は1年先輩って感じ。

どうみても初めてのケース。

上司に行ってこいと言われてきたんでしょう。

状況説明の聞き取りも素人っぽい。

書類の書き方をいちいち先輩から教えてもらってます。

で、僕は聞いたんです。

「この子、首輪に番号札もあるから、すぐ飼い主見つけてもらえますよね?このあとどうなるんです?」

すると警官

「いや~、僕も詳しくはないんですけどね。でもできる限りのことは調べると思いますんで。

ただ、それでも見つからない場合は、こちらもいつまでも置いとけないんで・・・」

おい、待て待て待て

それ以上言うな!

妻が聞いている…

なんでそんなネガティブな憶測をわざわざ口にしようとするんやこのバカ者が!

お前はド素人か!

「ま、でもベテランの迷子犬を捜索する担当の方が見つけてくれますよね。警察も慣れてるんでしょ、こういう案件は。プロですもんね」

と無理やり、こっちペースに話をすり替え、妻にネガティブな想像をさせないようにしました。



そして警察に引き取ってもらった後、ずーっと妻は落ち込んでいました。

「大丈夫かな。ほんまに見つかるかな。明日電話してみるわ。保健所にも私から電話して調べてもらってみるわ」

「それでも見つからんかったら、うちで飼おうな」

とブツブツブツブツ…

地獄の空気感…

すると1時間ほどして…

電話が鳴りました。

僕はピンときて、これは警察からや。飼い主が見つかったに違いない。

だとすれば、ここは妻に出させた方がいいと判断し、電話に出てもらいました。

「もしもし…はい、はい、あー、はい(暗い声)・・・

えー?

ホントですか?(テンション急にMAX)

あーよかったー!

よかったー!

よーかったー!!

(大号泣開始)

よかったよかったよかった…」

電話を切った後も、大号泣はとまりません。

あーよかった…

を連発。

そこから機嫌が右肩上がり。

超上機嫌のハイテンション!



なにこれ?

どこが理論型なん?

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