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部下のやる気を引き出すコミュニケーションの極意

「2度もぶった。オヤジにもぶたれたことがないのに!」

ガンダムを見たことがなくても聞いたことがあるセリフじゃないでしょうか?

素人のアムロがずっと休みなしで戦闘に出て、それでも上司から優しい言葉もくれず、正当な評価もしてもらえず、だんだんふてくされてくるんですね。

で、ついに命令を聞かなくなるんです。

「出撃しろ!」「いやです」「もう怖いの嫌なんです」

このグジグジ感。

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ガンダムは主人公の性格がネガティブ思考なんです。ま、思春期ですけどね。



でもこういう部下いますよね。

注意するとすぐ拗ねる部下。やる気のない部下。

こんな時、上司はどうやって声を掛けたらいいんでしょう?


ブライトは、こう言ったんです。

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「アムロ、今のままだったら貴様は虫けらだ。それだけの才能があれば貴様はシャアを超えられる奴だと思っていた。残念だよ」

この言葉を聞いたとき、アムロは「は!」としたんです。“シャア”と呟いて態度が一変。


なぜ、このセリフがアムロに響いたんでしょうか。


僕は、この最後の「残念だよ」という言葉。

これが非常に重要だったと思っています。


だいたい、上司からの言葉というのは、これしろ、あれしろ、何やってるんだ!ちゃんとやれ!

殆んどが、一歩通行の命令です。
つまり、言われた方に裁量権はない。

だから反発する心が起きるんです。


上司が、「残念だよ」「悲しいよ」「まいったよ」と自分を主語にして、自分の感情を伝える。

どう感じてどう行動するかは、部下次第。

そうすると裁量権は部下に移行しています。

つまり「自己決定感」が満たされるんです。

「残念だよ」は「期待している」の裏返しの言葉です。


これが「Iメッセージ」という伝え方の技術です。

それから、初めに「貴様は虫けらだ」と否定で入ってますね。
ですが次に「それだけの才能があれば」「シャアを超えられる奴」と肯定する。

これ、マイナスプラス法といって、はじめマイナスで落としておいてプラスで回収すると、有能感が得られ、印象がいいんです。

例えば、「旅行は楽しかったけど雨だったね」というより「旅行は雨だったけど楽しかったね」の方が感じ良いでしょ。

「あなた、顔はかわいいけど服はいまいちね」というより「服はいまいちだけど顔がかわいいねぇ」の方が褒められてる気がしますよね。

先にマイナスで後からプラスにするコミュニケーションテクニックです。

さらに、アムロにとって、「シャア」というワードは、ツボなんです。

人は誰でも、「特に重要にしていること」を持っています。
特にこだわっていることや大事にしていること、ここに触れると感情が動くというトリガーポイントが。

この「ツボ」を知っておくということは、リーダーにとって大切なことです。

ツボの触り方で、やる気を出させたり、怒らせたりが自在にできるようになります。

そして…

「それだけの才能があれば貴様はシャアを超えられる奴だと思っていた」

という言葉には、ダメ出しではなく、熱い期待が込められています。

人は期待されると、それに応えようと、勝手に脳が作動し始めます。

これを心理学では、「ピグマリオン効果」と呼んでいます。


親に「あんたは正直者だからね」と子供のうちから言われ続けると、正直者にならなければ!という無意識が勝手に働いて、嘘をつくことができない大人になってしまうもんなんです。

つまり、部下に、命令ではなく「期待している」感情を示すということは、とても重要なことなんです。


以上まとめると、こうなります。

1. Iメッセージで自己重要感を高める
2. マイナスプラス法で気をよくさせる
3. 心のツボを押さえる
4. 期待を示す

ブライトさんの言葉を分析すると、コミュニケーションにおける重要なスキルをたくさん教わることができました。

ブライトさん、ありがとう。



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